【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬


セフェムアレルギーの患者さん
ペニシリンアレルギーの患者さんは、セフェム薬に対してもアレルギーを認めることもあります。


ペニシリン系とセフェム系の交差性も知られており、7 位に類似構造をもつセフェム系に注意が必

[解説]
1940年代にペニシリンが使用されるようになってまもなく、ペニシリンによるアナフィラキシーが報告されている。ペニシリンアレルギーの有病率は2%程度と考えられており、0.01~0.05%の患者でアナフィラキシーのリスクがある。ペニシリンに対するIgEを介した反応性は年々低下していき、アナフィラキシー反応から 7~12か月後では93%であるが、10年後には22%の患者のみが反応性を認めたと報告されている7)

ペニシリン系抗菌薬は、その分解過程で蛋白質の残留リジンに結合できる不完全な中間体としてpenicilloylを形成する。penicilloylが蛋白質と結合することにより、抗原となる。この過程から、何らかのペニシリン系抗菌薬にアレルギーがある場合には、他のペニシリン系抗菌薬にも反応する可能性がある。セファロスポリン系抗菌薬ではこのような分解経路をたどらないため、側鎖の違うセファロスポリン系抗菌薬は選択可能である。

[PDF] 浜松市内科医会 AAS 第 5 報 経口第 3 世代セフェム系抗菌薬の問題点

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

ワイドシリン®細粒20%製剤は、添加物としてカルミンを含む。そのため、赤色色素のコチニール、カルミンに過敏症のある患者では避けるべきである。2012年5月の厚生労働省からの通達9)に伴い、添付文書への記載の徹底と禁忌項目の改訂が行われている10)

さらに追記するなら、プレボテがβ-ラクタマーゼ産生菌であり、ペニシリン系・セフェム ..

ペニシリン、セフェムなど他の抗菌剤が土中から発見されたのに対して、キノロンは人工的に合成した抗菌剤です。1980年代から、各種の製剤が開発されています。歯科では、レボフロキサシン(商品名:クラビット他)、トスフロキサシン酸塩水和物(商品名:オゼックス)、ロメフロキサシン塩酸塩(商品名:ロメバクト他)、シタフロキサシン(商品名:グレースビット)が処方されることが多いです。

初期のレトロスペクティブ研究では40%程度のペニシリンアレルギー患者で交差アレルギーが起こるとされていたが、近年では過大報告されていたと考えられている。初期(1980年以前)のセファロスポリン系抗菌薬にはトレース量のペニシリンが含まれていたこともあり、過大に報告されていた原因の一つと考えられる。現在、側鎖を共有しないセファロスポリン系薬では、ペニシリン系抗菌薬との交差アレルギーは1~4%と報告されている11)

「通常:喉が痛い風邪に第3世代セフェム」→「代替薬:なし? アモキシシリン?」 ..

1948年にイタリアの土壌より発見され、ペニシリンと類似の構造を持ちます。歯科ではセファクロル(商品名:ケフラール他)、セフジニル(セフゾン他)、セフロキシムアキセチル(商品名:オラセフ)、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物(商品名:フロモックス他)、セフジトレンピボキシル(商品名:メイアクトMS他)、セフテラムピボキシル(商品名:トミロン他)などが処方されることが多いです。セフェムは禁忌・薬剤の相互作用は少ない薬剤です。

最近は状況が変わってきましたが、それでも第3世代セフェム系抗菌薬は多く使われています。ただし、日本感染症学会・日本化学療法学会の「感染症治療ガイド」(以下、ガイドライン)では、以前から歯性感染症に対する抗菌薬としてペニシリン系を第一選択薬に推奨しています。スペクトラムの広い経口第3世代セフェム系は、推奨されていません。


ペニシリンアレルギーもこれに含まれる。 βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)が最多であり、

セファゾリンは第一世代であるが、同一のR1側鎖を持つ他のβラクタム系抗菌薬はない特異的な構造であり(Ceftezole[タイファロゾール®]のみ同一側鎖を有するが、現在は販売されていない)、他のβラクタム系抗菌薬との交差アレルギーは少ないと考えられる。セファゾリンによる過敏反応を示す患者は、他のセファロスポリンやペニシリンに忍容性を示す可能性が示唆されている12)13)

フロモックスとは? フロモックス(一般名:セフカペンピボキシル塩酸塩水和物)とは、セフェム系に分類される抗生物.

もともと歯科領域では、歯性感染症の主要起炎菌に有効な第1・第2世代セフェム系が主に処方されていました。それが第3世代セフェム系の発売にともなって、シフトしていったのではないかと考えられます。ペニシリン系も以前は使われていたのですが、「カプセルが服用しづらい」「錠剤が大きい」といった使い勝手の悪さやペニシリンアレルギーの問題、また「昔の薬」というイメージもあって、あまり使われなくなってしまいました。第3世代セフェム系は小ぶりで飲みやすく、副作用も少ないので、使いやすいということもあると思います。

3章 抗微生物薬の特徴 2 ペニシリン系(経口):アモキシシリン,アモキシシリン・クラブラン酸 ..

[解説]
ペニシリンアレルギーの既往のある患者で、カルバペネム系薬の皮膚試験が陽性となる患者は1%程度である。ペニシリン系抗菌薬、セファロスポリン系抗菌薬ともに、交差アレルギーは1%未満と推定される14)

アミノペニシリン(アモキシシリン、アンピシリン)との交差反応は 1.3%

IgE介在性ペニシリンアレルギー患者における皮膚試験の陰性確認は、安全にカルバペネム系薬を使用できる指標となる15)

未満と言われている。しかし、アミノペニシリンとセファロスポリンとの交差

1つのきっかけは、国公立大学附属病院感染対策協議会のメンバーになったことです。2013年に行われた全国の歯科のサーベイランスの結果では、当院はとにかく抗菌薬の処方量が多く、全国データを引っ張るぐらいの勢いで、唖然としました。その後2015年に、当院における経口抗菌薬の使用実態を初めて調査したのですが、思った通り第3世代セフェム系抗菌薬が全体の半数近く処方されていました。そんな時に「AMR対策アクションプラン(2016-2020)」が発表されて、「これは本当に解決しなければいけない問題なのだ」と真剣に考えるようになったのです。まずは一部の診療科で介入を始め、2017年度からは全科を対象としたASP活動を本格的に開始しました。

患者にセファレキシン、アモキシシリン過敏症患者にセファレキシンとセファクロルが陽性) を ..

歯科医師の外来処方に対して、直接フィードバックを行いました。どういう介入方法がよいのかについては、いろいろ考えました。例えば「医局会で講義する」「マニュアルを整備する」「薬剤部ニュース的なものを定期的に発行する」「感染対策委員会から周知してもらう」などです。ただ、どの方法もインパクトや実効性は薄い気がしました。それならば疑義照会のように医師に直接電話をして、個人的に話した方が早いのではないか、耳を傾けてもらえるのではないかと考えました。私は幸いにも当院に長く在籍し、面識のある先生も多かったですし、直接話した方が状況を把握していただけると思いました。

現在、供給が十分でないアモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチン®)、アモキシシリンに加え、代替薬として使用していた第一世代のセファロ.

また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)

側鎖が被らなければセフェム, カルバペネム, アズトレオナム変更を検討

抗菌剤はいろいろあり選択に迷うところです。いろいろな薬品をはば広く使うより、数種類の薬剤の知識を深くしてパターン化したほうが臨床的に有効と思います。ここではジスロマック、フロモックス、クラビットを主として考察してみました。サワシリン(アモキシシリン)は術前投与としか使用しません。セフゾンもフロモックスが使えないときに使用します。

[PDF] ペニシリンアレルギーとは~βラクタム系の交差性を ..

青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。

歯科ではアモキシシリン水和物(商品名:サワシリン錠 250mg他 ..

またワーファリン投与時の第一選択はセフェム系を避けてペニシリンが良いとの記述がありました。まあジスロマックが無難かなと思っています

疑われ、起因菌として肺炎球菌が考えられる場合はアモキシシリン等のペニシリン系抗菌薬

ペニシリンアレルギー申告患者において臨床現場で問題となる場面は周術期投与であろう。非アナフィラキシー・ペニシリンアレルギー患者では、セファゾリンは安全に使用できる可能性が高いにもかかわらず、約の医師がセファゾリンの使用を避けていたという調査がある。本調査では、ペニシリンとセファゾリンの交差アレルギーに対する知識を有する医師は約半数であり、知識の有無がセファゾリン選択に影響していた21)

【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)

単に「処方を変えてください」ではなく、必要に応じて薬剤選択や用法用量の提案まで行いました。問題だと思う処方が出たらカルテを開き、処置内容や患者背景などを確認しています。そのうえで、例えば、「アモキシシリンですが、ペニシリンアレルギーがあればクリンダマイシンを1回300mg、1日3回でお願いします。」、腎機能が悪ければ「ペニシリン系でお願いしたいのですが、その場合は減量してもらえますか」というように、具体的に伝えていました。

セフェム系のエステル型(セフェム第三世代)です。安全性でいまでも使われている ..

はい。ちなみに歯科のカルテは独特で、基本的には処置名が列記してあるだけのことが多いです。専門的すぎて、どういう治療をしたのか、最初はまったくわかりませんでした。患者さんがどういう人なのかもわからないので、診療情報提供書やお薬手帳なども見て情報を補足していました。