[PDF] 原発性アルドステロン症診療ガイドライン 2021


高血圧の患者さんの約90%は原因が1つに特定できず、ストレス、肥満、塩分過多、遺伝的要素、その他の要因が複合的に影響して起こる高血圧で「本態性高血圧」と呼ばれます。残り約10%の患者さんは原因が特定できる高血圧で「二次性高血圧」と呼ばれます。二次性高血圧の原因の1つが原発性アルドステロン症で、全高血圧例の約5%に見られるとされています(文献1)。特に治療抵抗性高血圧や若年性高血圧の方に多く見られます。この病気は本態性高血圧に比べて脳卒中、心肥大、心房細動、冠動脈疾患、心不全、慢性腎臓病、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの発症・合併リスクが明らかに高いと報告されています(文献2、3、4)。原発性アルドステロン症は、適切に診断されないまま本態性高血圧として治療されているケースが多く、早期発見と適切な治療が重要です。


原発性アルドステロン症(Primary Aldosteronism;PA)

原発性アルドステロン症は、副腎に発生する腫瘍(ほとんどは良性の腫瘍=腺腫)や両側副腎皮質過形成が原因でアルドステロンという血圧調節ホルモンが過剰に分泌される病気です。アルドステロンは副腎で作られ、ナトリウムと水の再吸収を促進し、血圧と水分量を適切な状態に調整するホルモンです。アルドステロンが過剰になると血圧が上がり過ぎて高血圧になります。またアルドステロンはカリウムの排出を増加させるため、低カリウム血症を引き起こすことがあります。ただしカリウム値が正常の症例も多く、低カリウム血症の有無だけでは原発性アルドステロン症と本態性高血圧を区別するのは困難です。

原発性アルドステロン症の主な症状は高血圧であり、3種類以上の降圧剤を内服しても血圧が下がりにくい方(治療抵抗性高血圧)が多いです。また、低カリウム血症によって筋力低下や疲労感、不整脈が現れることがありますが、無症状の方が多いのが特徴です。

副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫

副腎からアルドステロンというホルモンが過剰につくられる病気で、高血圧症の5~10%をも占めるとされ、若年から高齢者まで広く認められます。アルドステロンは、体内にナトリウム(塩分)を貯留することにより血圧を上げるホルモンです。副腎腫瘍がアルドステロンを過剰に産生する片側性(アルドステロン産生腺腫)と左右の副腎全体が過剰に産生する両側性の2つがあります。通常は遺伝しません。原発性アルドステロン症では、ほかの高血圧患者さんと比べると、、、冠動脈疾患、腎障害などの発症率が高いことが報告されています。治療のポイントは、血圧を正常レベルに下げて、アルドステロンの働きを抑えることです。

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

Pressionシンチでは両側副腎像は抑制された. 原発性アルドステロン症は約86%がアルドステ ..

スクリーニング検査で原発性アルドステロン症が疑われた場合は、機能を確認する検査として、生理食塩水負荷試験やカプトプリル試験、蓄尿検査などを行い、アルドステロンの過剰分泌の程度を確認します。副腎腫瘍がある場合、コルチゾールの同時産生の有無を調べるため追加で検査(1mgデキサメタゾン抑制試験)を行います。

治療方針は以下の「手術療法」と「薬物療法」に分かれます。機能確認検査と病型・局在診断の結果を踏まえて、患者さんそれぞれに最適な治療方法の検討が必要です。

[PDF] Ⅰ.1 原発性アルドステロン症(PA)診療アップデート

原発性アルドステロン症を呈する病変が片側性である場合、CT所見や腫瘍の大きさに関わらず副腎摘出術が行われます。手術によりアルドステロン過剰や低カリウム血症を治癒あるいは改善させることができます。通常、手術療法の第一選択は腹腔鏡手術です。

日本内分泌学会. 「原発性アルドステロン症の診断治療ガイドライン-2009-」より転載


[PDF] 原発性アルドステロン症の診療ガイドライン策定に関する研究

治療は原則として、手術による病巣の摘出術、すなわち、1では、腹腔鏡下片側副腎摘出術(泌尿器科)、2では下垂体腫瘍摘出術()、3では異所性腫瘍摘出術(外科)を行います。手術後には、逆にコルチゾールが不足してしまう状態になるので、一時的にホルモン補充治療を行うのが一般的です。両側副腎腫瘍の場合には、片側副腎摘出術を行う場合があります。手術が無理な方や、手術の後もコルチゾール高値を認める再発例では、薬物療法も行います。

[PDF] 原発性アルドステロン症の臓器障害に関するデータベース研究

原発性アルドステロン症は、病型により治療法が異なるため、病型分類が重要である。

原発性アルドステロン症 (げんぱつせいあるどすてろんしょう)とは

日本内分泌学会「原発性アルドステロン症診療ガイドライン策定と診療水準向上」委員会

原発性アルドステロン症(PA)とは,1955 年に Conn 博士により最初に報告されたアルドステロン

この診療ガイドラインは、「原発性アルドステロン症」を主題として、日本内分泌学会によって作成されています。2021年10月15日に診断と治療社から発行されました。Mindsでは、2021年12月17日に選定部会にて選定されています。

心配な事・分からない事などありましたら遠慮なく看護師に声をおかけください。 原発性アルドステロン症精査を受けられる 様.

副腎や傍神経節から過剰のカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)がつくられる病気です。大部分は、副腎髄質にできますが(褐色細胞腫)、傍神経節など副腎以外の場所にも発生します(パラガングリオーマ)。この病気は、腫瘍から突発的にカテコラミンが大量に血液中に分泌されると、重症の高血圧発作を起こして、脳卒中や心筋梗塞などを起こす危険が高いので、早急な診断と治療が重要です。近年、遺伝子変異による本疾患の例が多く見つかるようになり、遺伝子変異に関与する例は30%以上あると考えられています。また、転移例(転移性褐色細胞腫・パラガングリオーマ)も10%程度あります。

原発性アルドステロン症は、副腎皮質の病変によりアルドステロンが過剰分泌さ

「原発性アルドステロン症診療ガイドライン策定と診療水準向上」検討委員会委員名簿

原発性アルドステロン症におけるアルドステロン概日リズムについての検討・・・ ..

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原発性アルドステロン症診療マニュアル 改訂第4版 (内分泌シリーズ)

CQ 3 原発性アルドステロン症(PA)は本態性高血圧(EH)よりも脳心血管病,慢性腎臓病の 合併が多いですか

[PDF] 原発性アルドステロン症検査 入院診療計画書 様 主治

血液、尿中カテコラミンや、尿中メタネフリン、ノルメタネフリンなどの高値により診断します。また局在診断として、副腎CTやMRI検査、副腎髄質シンチグラム(MIBGシンチグラム)、などにより腫瘍を証明します。最近では、特に症状はなく、人間ドックなどで副腎や傍神経節に偶然腫瘍が発見され(偶発腫瘍といいます)、精密検査の結果、褐色細胞腫・パラガングリオーマと診断される例も増えています。副腎髄質や傍神経節以外の場所(肝臓や骨)に転移したときに「転移性褐色細胞腫・パラガングリオーマ」と診断します。

807―2.ステロイドホルモン産生異常症(原発性アルドステロン症)臨床調査個人票(新規) ..

改訂第4版発刊にあたって

原発性アルドステロン症(PA)が1955年に第一例を報告してから約70年が経過する.特に過去20年の間で,最も注目された代表的な内分泌疾患の一つとなっている.2017年3月に発刊した第3版の序文にて,1955年のConn博士による最初の発表以後,現在までの論文数をPubMedで検索した結果を図に示した.1970年から1980年頃のFirst peak後,いったんは減少した論文数がその後経年的に増加しSecond peakを示すのが明らかであった.今回,約5年が経過し,改めてその後の論文数を確認したところ,さらに論文数が増加しており,全世界でPAに対する関心は高く,様々な観点の研究が継続的に増加しているといえる.
このPAに関する研究の増加にはいくつかの背景がある.第1は,高血圧におけるスクリーニング指標としてアルドステロン/レニン比(ARR)が導入されたことにより,疾患の頻度がそれまで想定されていたよりはるかに高いことが明らかにされたこと,第2はアルドステロンが古典的な腎臓への作用のみならず心血管系に対する直接的な作用を有し,それに伴う心血管系合併症が多いことが報告されたこと,第3は各国から診療ガイドラインが発表でされ,日常診療に還元されたことである.これらと同時に,診断の各ステップの詳細と治療選択において,専門医間差,施設間差,国間差があり,標準化のためのエビデンス創出の重要性が認識されてきたことも関連があるといえる.
わが国でもPAの重要性の認識が高まり,ガイドラインが整備されたのに伴って,診療に従事する医師数,患者数が飛躍的に増加したことを背景に,2007年11月にPAに関する実践的なマニュアルとして本書『原発性アルドステロン症診療マニュアル』(初版)を発刊した.その後,2010年に改訂第2版,2017年に改訂第3版を発行したが,この数年間でPAの診断,治療が飛躍的に進歩したこと,2021年に日本内分泌学会の診療ガイドラインが改訂されたことから,さらに,PAの第一例発表後約70年を経過することの記念として,今回,内容を刷新し改訂第4版を発行することになった.本改訂で新たに追加したおもな点は下記である.
①アルドステロン・エスケープ現象
②PAの成因に関する最新の進歩
③国内外のガイドラインの解説
④スクリーニング・機能検査の新判定基準
⑤病型診断法,画像診断法の進歩
⑥AVSの実施法と新判定基準
⑦周術期の治療
⑧新規インターベンション
⑨手術効果の判定法
⑩高齢者における治療選択
⑪診断法のdiversityと国際共同研究
PAの第一例の報告から約70年を経て,その診療と研究はますます発展している.図に過去から現在までの進歩,診療の基本的な流れと今後の課題を図に示した.本改訂第4版が今後さらにわが国のPAの診療と研究の発展に役立つことを期待している.改訂に際してご無理をお願いした多数の執筆者の先生方に誌面を借りて改めて深く御礼申し上げる次第である.

2024年3月
医仁会武田総合病院
内分泌センター・臨床研究センター センター長
成瀬光栄

追悼:昨年,慶應義塾大学名誉教授である猿田享男先生が逝去されました.猿田先生はわが国における原発性アルドステロン症の診療・研究の第一人者のおひとりで,この書籍の第1版発行から現在に至るまで多大なるご指導をいただき,また書籍の推薦文も執筆いただきました.40年以上にわたり,温かいご指導をいただきましたことに感謝し,猿田先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます.






改訂第3版 序文

原発性アルドステロン症(PA)は近年,最も注目された代表的な内分泌疾患の一つである.1955年のConn博士による最初の発表以後,現在までの論文数をPubMedで検索すると,1970年から1980年ごろのFirst peak後,いったんは減少した論文数がその後現在まで経年的に増加しSecond peakを示しているのが分かる(図).このPAに関する研究の増加には3つの背景がある.第1は,高血圧におけるスクリーニングにアルドステロン・レニン比(ARR)が導入され,疾患の頻度がそれまで想定されていたよりはるかに高いことが明らかにされたこと,第2は,アルドステロンが古典的な腎臓への作用に加えて心血管系に対する直接的な作用を有し,それに伴う心血管系合併症が多いと報告されたこと,第3は各国で診療ガイドラインが発表されたことである.
わが国でも本疾患の再啓発が普及し,診療に従事する医師も経験される患者数も飛躍的に増加したことから,PAに関する実践的なマニュアルとして本書『原発性アルドステロン症診療マニュアル』が企画・発刊された.アルドステロンに関する基礎的事項から診断,治療に関する多様な情報をコンパクトにまとめた書籍である.2007年11月に初版を発刊後,2010年改訂第2版を発行したが,この数年間でPAの診断,治療が飛躍的に進歩したことから,今回,改訂第3版を発行されることになった.機能診断,副腎静脈サンプリング,免疫組織染色,成因と密接に関連する各種の遺伝子変異などにおける進歩を追加するとともに,2016年に日本内分泌学会から発表された新たな診療指針「わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサス・ステートメント」を踏まえた解説を随所に追加した.本改訂版が今後さらにわが国のPAの診療に役立つことを期待している.また,改訂に際してご無理をお願いした多数の執筆者の先生方に誌面を借りて改めて深く御礼申し上げる次第である.

2017年3月
国立病院機構京都医療センター
臨床研究センター 特別研究員
成瀬光栄






改訂第2版 序文

内分泌疾患は多様な臓器の多様な疾患を包含するが,個々の疾患はたとえば糖尿病などの代謝疾患と比較して頻度が少ないことから,臨床医学の現場においてその重要性が必ずしも十分に認識されているとはいえない.しかし,内分泌疾患の診断の遅延は生命にかかわる深刻な影響を及ぼすことがあり,また血圧,糖・脂質,骨代謝などの慢性的な異常を介する標的臓器障害を招来することもある.それゆえ,適切な早期診断と治療が肝要で,そのためには十分な症例の経験と疾患に対する知識が必須である.しかしながら,内分泌疾患に関する系統的な書籍は従来と比較して激減しているのが現状である.このような背景から実地臨床の視点に立って企画・刊行されているのが診断と治療社の「内分泌シリーズ」である.編者らはこれまで,『内分泌代謝専門医ガイドブック』『原発性アルドステロン症診療マニュアル』『褐色細胞腫診療マニュアル』『わかりやすい原発性アルドステロン症診療マニュアル』『クッシング症候群診療マニュアル』『甲状腺疾患診療マニュアル』『内分泌機能検査実施マニュアル』『内分泌性高血圧診療マニュアル』の企画・編集を行ってきた.
原発性アルドステロン症(PA)は近年,最も注目されている内分泌疾患の一つである.従来考えられてきたよりも頻度が高いこと,適切な診断・治療により治癒可能であること,標的臓器障害が少なくないこと,などが注目される背景である.本疾患の診療に従事する医師も増加し,診断例も飛躍的に増加している.『原発性アルドステロン症診療マニュアル』はPAに関する実践的なマニュアルで,アルドステロンに関する基礎的事項から診断,治療に関する多様な情報をコンパクトにまとめた書籍である.本書は2007年11月に発刊後,大変多数の先生方に活用いただいてきたが,この分野での進歩が著しいことを考慮して,この度,さらに内容を充実させるために改訂第2版を発行することになった.今回の改訂では全体的なフォーマットの統一に加えて,副腎静脈サンプリングの項で,各施設の相違点を明確に整理するとともに,各種学会ガイドラインや各施設でのPA診療手順とその比較についても解説を追加した.本改訂版が今後さらにPAの診療に役立つと信じている.誌面を借りて,改訂に際してご無理をお願いした執筆者の先生方に改めて深く御礼申し上げる次第である.

国立病院機構京都医療センター
内分泌代謝高血圧研究部 部長
成瀬光栄






初版 序文

Conn博士により原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)が報告されてから50年が経過する.その間,レニン,アルドステロンの測定法の確立とCTを主とする画像診断法の進歩により,内分泌の専門施設でなくても診断が可能となった.同時に,その頻度が当初に想定されたよりもはるかに低いとされたことから,“特殊な内分泌疾患”として,日常診療における注目度は必ずしも高くはなくなっていた.しかし,近年になり①PAの頻度が予想以上に高いこと,②脳梗塞や心肥大などの臓器障害の合併が少なくないことが報告されたのに加えて,アルドステロンの研究が進歩し,新規のアルドステロン拮抗薬エプレレノンが臨床応用されたことから,PAの診断と治療が再び脚光を浴びている.
高血圧と低カリウム血症を合併し,内分泌学的にレニンの抑制,アルドステロンの高値が明らかで,副腎CTで明確な腫瘍を認める典型例の診断は容易である.しかしながら,血清カリウムが正常,レニンの抑制程度が弱い,アルドステロン増加が軽度,副腎CTで明確な腫瘍を確認できないなど,機能面,形態面で典型的所見を呈さず,診断に苦慮する症例も多数経験されてきている.PAに対する注目が高まるのと平行して,その診断の各ステップと治療における種々の問題点が浮き彫りにされてきたといえる(図).通常,1)低カリウム血症の有無にかかわらず,すべての高血圧患者において,少なくとも一度はPRA, PAC測定によるスクリーニングを実施,2)陽性であれば,アルドステロンの自律性かつ過剰分泌を証明する機能的確認検査を実施,3)陽性であれば副腎CTによる局在診断,4)腫瘍を確認できない場合は,副腎静脈サンプリングを実施する一側性病変であることが確認できれば,積極的に内視鏡的副腎摘出術を検討する.しかしながら,スクリーニング法のカットオフ値,機能的確認検査の組み合わせとカットオフ値,副腎CTの撮影条件,副腎静脈サンプリングの適応と実施方法,カットオフ値,長期予後からみた手術と内科的治療の予後比較など,種々の点の詳細は必ずしもコンセンサスがないのが現状である.
本書は高血圧の日常診療においてPAを的確に診療できることを目的として,PAの診断と治療に関する最新の知識,動向を網羅すると同時に,その中から今後解決すべき様々な課題が明らかになることも意図して企画した.執筆者としては本分野でわが国を代表する諸先生方にお願いさせて戴いた.本書がわが国のPAの診療水準の向上に役立てば幸いである.

国立病院機構 京都医療センター
内分泌研究部 成瀬光栄

ただし原発性アルドステロン症では心房性 Na 利尿ペプチドによるエスケープ減少の.

原発性アルドステロン症と診断された患者では腹部 CT を実施するが、副腎腫瘍が確認された場合でも非機能性副腎腺腫、褐色細胞腫、Cushing 症候群や subclinical Cushing 症候群のコルチゾール産生腺腫、副腎癌の合併の可能性についても十分な検索を行う。
患者が外科的処置可能な身体状況であり、外科手術による原発性アルドステロン症の治療を希望する場合は、副腎静脈採血(adrenal venous sampling:AVS)を行ってアルドステロンの過剰分泌部位が両側性なのか片側性なのか、また片側性であれば右副腎が原因か左副腎が原因かを鑑別することが必要となる。

原発性アルドステロン症は薬剤抵抗性の高血圧の 20%以上であり可能性がある ..

治療は、薬物治療(α遮断薬やβ遮断薬)による高血圧のコントロールを十分に行ったうえで、手術による腫瘍摘出が原則です。前述の2つの病気とは異なり、褐色細胞腫・パラガングリオーマは約10%に再発・転移例があるので、手術治療の後も長期間定期的なホルモン検査と画像検査を行うことが大切です。転移性褐色細胞腫・パラガングリオーマでは、カテコラミンをつくる腫瘍の転移病変のため、原則として治癒は望めませんが、降圧薬の治療(α遮断薬、β遮断薬)を行いながら、局所的にできる限り腫瘍を手術により摘出し、化学療法(抗がん剤)、アイソトープ療法(MIBG内照射)などの治療法も行います。