デキサメタゾンパルミチン酸エステル (JAN) ; D01632
体の中には数多くのホルモンが存在しており、その一つであるステロイドホルモンには女性ホルモン、男性ホルモンなどの性ホルモンや副腎皮質でつくられる糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドがあります。
一般的な「ステロイド」とは、糖質コルチコイドを人工的に合成した薬です。
2.糖質コルチコイドによる治療が必要な場合には、その薬物のウォッシュアウト期間(下
ステロイド内服薬は多数ありますが、主な違いは効果持続時間です。
また各薬物によって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の強さが異なります。
臨床で期待される抗炎症、免疫抑制などの効果は糖質コルチコイド作用の強さに依存しています。
鉱質コルチコイド作用はナトリウムの再吸収亢進とカリウムの排泄亢進があり、高血圧や電解質異常等の副作用として現れることがあります。
下の表に、当院採用薬の生物学的半減期、糖質コルチコイド作用の等価用量、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の効力比(ヒドロコルチゾンを1とした場合)をまとめました。
等価用量とは、同等の効果を発現させるのに必要な用量(mg)のことです。
このように、コートリル®20mgとプレドニン®5mgが同等の糖質コルチコイド作用を示すので、1錠あたりの量が少ないから効果が弱いというわけではありません。
の,いずれも抗炎症作用と糖質コルチコイド作用に本質的な差はない。 ➂ ..
膠原病では、用量の微調節が可能であるため、主に生物学的半減期が12~36時間の中間型のプレドニン®やメドロール®が最も広く使用されています。
メドロール®は鉱質コルチコイド作用(電解質への作用)がほとんどなく長期投与が必要な場合に多く使われています。
長時間型のデカドロン®やリンデロン®はステロイドの中でも作用が強力で髄液などへの移行性がよく細菌性髄膜炎にも使用されます。
やはり、多くの患者さんが気にされるのは副作用ですね。
ステロイドの副作用は、服用量や服用期間によって異なります。
前項で臨床効果が期待されるのは糖質コルチコイド作用で、副作用が問題になるのは鉱質コルチコイド作用であるとお話ししました。
しかし、一方で糖質コルチコイド作用も高用量長期使用の際には糖、蛋白、脂質代謝への作用が副作用として現れる事があります。
次に、起こり得る副作用とその対策を紹介します。
一般的に言われている副作用発現時期をそれぞれ[]で記します。
[PDF] 細胞質受容体へ結合し生理作用発現 ×:鉱質コルチコイド→球状層
全動物種の試料中の糖質コルチコイド(Glucocorticoid)(コルチゾール:Cortisol, コルチコステロン:Corticosterone, コルチゾン:Cortisone)を、競合法を用いて比色または化学発光法により定量するELISA/CLIAキットです。糖質コルチコイドは、副腎皮質の束状層で産生される副腎皮質ホルモンで、コルチゾール、コルチコステロン、コルチゾンの3種類が知られています。
副腎で産生されるステロイドホルモンの総称。大別すると糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分けられ、具体的な分子種は生物種によって変わる。ヒトでは主に、糖質コルチコイドとしてコルチゾール、鉱質コルチコイドとしてアルドステロンを産生する。特に糖質コルチコイドは医薬品として使われるケースが多い。2020年には糖質コルチコイド製剤のデキサメタゾンが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として認められた。
ヒトの副腎は、糖質コルチコイドとして主にコルチゾールを、鉱質コルチコイド ..
糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドともに、コレステロールを出発点とする生合成経路で作られ、こうした経路でできるホルモンはステロイドホルモンと総称される。動物種によって生合成経路は少しずつ異なり、ホルモンの種類も変わる。例えば糖質コルチコイドとしてヒトではコルチゾールを、ヒト以外の哺乳類ではコルチコステロンを、それぞれ主に使う。
他のステロイドホルモン同様、副腎皮質ステロイドは細胞膜を通過し、細胞内にある転写因子型の受容体に結合して働く。特に糖質コルチコイドは、糖代謝、蛋白質代謝、脂質代謝、電解質代謝、血液成分の調整、神経系や循環器系、消化器系、内分泌系の制御、免疫・炎症抑制など多数の生理作用を持つ。そのため臨床で使われている製剤も20以上と数多くある。浸透性が高いため、投与方法も経口、静脈注射、経皮など多岐に渡る。
る CES1A1 mRNA の増加は観察されなかった。したがって、デキサメタゾンによる CES1A1 mRNA の増加は糖質.
鉱質コルチコイド製剤としては、副腎皮質過形成症や副腎皮質機能不全を適応症とする「フロリネフ」(フルドロコルチゾン酢酸エステル、サンドファーマ/サンド)がある。
デキサメタゾンシペシル酸エステル (JAN) Dexamethasone cipecilate (r-INN) ..
糖質コルチコイド(Glucocorticoid)は、副腎皮質の束状層で産生される副腎皮質ホルモンの一つで、コルチゾール(Cortisol)、コルチコステロン(Corticosterone)、コルチゾン(Cortisone)の3種類が知られています。
[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液
コルチゾール(C21H30O5)は、副腎皮質によって産生、分泌される主要な糖質コルチコイドです。ストレスに対する応答に関与し、血圧、血糖値、およびストレス適応の他の作用に影響を及ぼすことから、しばしば「ストレスホルモン」と呼ばれます。免疫学的には、コルチゾールは重要な抗炎症物質として機能しており、過敏症、免疫抑制および疾患耐性において役割を果たしています1。コルチゾールは、代謝における糖新生、肝グリコーゲン沈着を促進およびグルコースの利用を抑制します2。大部分のレセプターは、遊離コルチゾールのみが利用可能で、これらのレセプターを介して生理学的プロセスが調節されます。前立腺がん4、うつ病5および統合失調症6などの様々な異なる状態において、異常なコルチゾール濃度との相関が報告されています。これまでに、クッシング症候群およびアジソン病とコルチゾールの異常な濃度との関連性が報告されています7。
ア 鉱質コルチコイド(レニン、アルドステロン)については、フロセマイド負荷、アンギオテンシン負荷等
コルチコステロン(C21H30O4)は、副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドです。コルチコステロンは、ACTHによる副腎皮質の刺激に応答して産生されるアルドステロンの前駆体です。コルチコステロンはストレスの主要な指標であり、ヒト以外の哺乳動物で産生される主要なストレスステロイドです。コルチコステロンとストレスレベルの関連研究には、長期記憶回復の障害1、食事制限による慢性コルチコステロンの上昇2、熱傷による傷害3などがあります。ストレスレベルに加えて、コルチコステロンは睡眠覚醒パターンにおいて決定的な役割を果たすと考えられています4,5。
プレドニンには以下のように様々な作用があり、病気の治療で主に役立つのは糖質コルチコイド作用です。 糖質コルチコイド作用
コルチゾールとコルチゾン(C21H28O5)の2つのグルココルチコイド濃度は、2つの11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11-HSD)の活性によって変わります2,3。どちらの酵素もほとんどの組織で発現されますが、11β-HSD1は主に肝臓で検出され、コルチゾンをコルチゾールに変換し、11β-HSD2は腎臓などのコルチゾールレセプター結合を要する組織に見られます。11β-HSD2は、コルチゾールをコルチゾンに失活させてレセプターの活性化を阻害します。コルチゾン:コルチゾールの比率のモニタリングは、副腎疾患に加えて、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、骨粗鬆症および慢性疲労症候群において応用されています4~7。コルチゾンとコルチゾールの濃度は、予測可能な昼間パターンを示しており、乾燥糞便抽出物、結成、血漿、唾液および尿中で測定できます。最近、唾液中のコルチゾンが血清コルチゾールの優れた代理マーカーであることが報告されました8。
[PDF] 糖質コルチコイドを含有する口腔内局所使用薬品(医療用医薬品)
・高血圧[1、2ヶ月〜]
血管平滑筋に作用し降圧系を抑制したり、鉱質コルチコイド作用により腎尿細管でのナトリウム再吸収を促進させ、徐々に血圧を上昇させます。
ステロイドの減量で元に戻ることが多いですが、高血圧が続く場合には降圧薬の服用が必要です。
副腎皮質ホルモンには「糖質コルチコイド」「鉱質コルチコイド」の2種類があります。 ..
・副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンは、1日にプレドニン換算で2.5〜5mg程度が副腎皮質から分泌されています。
しかし、それ以上の量を長期に使用した場合、本来分泌するはずのステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。
そのため、急に服用を中止すると体の中のステロイドホルモンが不足してしまい、倦怠感、吐き気、頭痛等の症状が見られることがありますので、自己中断しないことが大切です。
副腎不全になると内因性ホルモンであるヒドロコルチゾン(コートリル®️)を服用して体内のステロイドを補います。
デキサメタゾンは、1958 年に開発された合成副腎皮質ホルモンで、糖質コルチコイド
糖質コルチコイド(Glucocorticoid、グルココルチコイド)の薬は炎症や自己免疫疾患を治療するため広く処方されており、最近ではCOVID-19(SARSコロナウイルス2型感染症)の重症患者の治療にも用いられている。COVID-19は、発熱や息切れなどの症状から、多臓器不全などの重い合併症への急速に進行する。重症患者は「サイトカインストーム」(cytokine storm)を経験するが、このときにはもはやコロナウイルスに対する炎症反応を抑えることはできず、サイトカイン(炎症の分子メッセンジャー)の異常な産生がさらなる合併症を引き起こしてしまう。臨床試験では、糖質コルチコイド受容体に結合する強力な抗炎症薬であるデキサメタゾン(dexamethasone)を低用量で投与することにより、COVID-19入院患者の死亡率が低下したことが示されている。
[PDF] 合成鉱質コルチコイド剤 フルドロコルチゾン酢酸エステル錠
糖質コルチコイドは、(estrogen receptor)とともに核内受容体の仲間(ファミリー)に属している。これはリガンド結合ドメイン(ligand-binding domain)、DNA結合ドメイン(DNA-binding domain)、トランス活性化ドメイン(transactivation domain)という3つの部分で構成されている。ヒトの場合、この受容体のリガンドとして最もよくあるのがストレスホルモンの一つコルチゾール(cortisol)である。受容体がコルチゾールに結合すると、受容体の構造が変化し細胞質から核へと移動する。核内では、標的DNA配列に結合し遺伝子発現に影響を与えることができる。糖質コルチコイド受容体は活性化補助因子(coactivator)とも相互作用し、遺伝子発現のしくみをさらに調整することができる。受容体は柔軟なリンカーでつながれたいくつかのドメインで構成されているので、ドメインの構造は別々に決定された。デキサメタゾンに結合したリガンド結合ドメインの構造はPDBエントリー、DNAに結合したDNA結合ドメインの構造はPDBエントリーのものを示す。トランス活性化ドメインはここに示していない。これらのドメインがすべて一緒になり、コルチゾールの結合によって引き起こされる最初のメッセージが伝達される。
の糖質コルチコイドと併用する場合にあらわれやすい。 11.1 重大な副作用
薬であるデキサメタゾンの構造は天然のコルチゾールの構造と非常によく似ている。このことにより、デキサメタゾンは糖質コルチコイド受容体にぴったりと結合し、同じように体内の炎症を解消する遺伝子発現の変化を引き起こす。この活性のため、デキサメタゾンはCOVID-19の治療において特に効果的である。なぜなら、コロナウイルスによる損傷はウイルス自体によるものだけではなく、制御できない炎症によるものでもあるからである。ところが、デキサメタゾンの抗炎症効果は、使い方や時期を誤ると害をおよぼしかねない。COVID-19の初期段階において、身体はウイルスを撃退するために免疫系を動員する必要があるので、初期の重症ではない患者にデキサメタゾンを使うと、うかつにも患者の状態を悪化させてしまうかもしれない。
[PDF] 糖質コルチコイド Glucocorticoides
(serum albumin)は血漿の中で最も豊富に見られるタンパク質だが、デキサメタゾンも他の薬やホルモンと同様にこの血清アルブミンによって身体全体に運ばれる。ところがこのタンパク質に関する因子のため、COVID-19に関連する炎症を治療するときに安全で効果的となるようデキサメタゾンを投与するのは難しい。例えば、糖尿病の患者では、タンパク質中の重要なアミノ酸に対して糖化(glycation)の過程を経て糖分子が結合していることがよくある。こうなると薬のタンパク質への結合が妨げられことがある。イブプロフェン(ibuprofen)のような一般的鎮痛剤なども血清アルブミン上にある同じ結合部位を使い競合するので、同時に服用するとデキサメタゾンの輸送が妨げられる。さらに、肝臓病、栄養失調、高齢などのCOVID-19の危険因子に加え、ウイルス自身も患者の血清アルブミン濃度を下げることがある。この複雑な事情により、内科医が血中におけるデキサメタゾンの遊離:結合の相対比を見積もり、薬の毒性増加、副作用、薬効の低下を招く可能性について判断するのは難しくなっている。