また、AGA治療薬は前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの値を低下させてします。
フィナステリドやデュタステリドといった5α-還元酵素阻害薬はAGA治療薬として広く用いられています。この研究は古いものですが、症例数はある程度あり、多施設の無作為化試験という比較的質の高いものです。この研究からわかるのは、”若年の健常者において”は、フィナステリド1mgの投与によって精子の数や精子の運動性に影響はないだろうということです。最近の後ろ向きの研究でもAGA治療としてフィナステリド1日1mgの内服により、有意に精子数の減少が起きたことが報告されました(Pallotti F et al, Endocrine. 2020)。この研究でも、フィナステリド開始時の精子数がとても多かったため、大抵の場合は減少しても問題ないレベルに収まっていました。我が国で認可されている0.2mgではさらに影響が小さいことが予想されます。他の研究では妊娠中に精液からこの薬剤が移行することの問題も検討されていますが、ごく微量なので妊娠に影響しないと結論づけられています(Laborde E and Brannigan R, J Androl 2010)。
ただし、今回ご紹介した研究には不妊症の症例や、より高齢の男性は基本的に含まれていませんので解釈には注意が必要です。
5α-還元酵素I型およびII型の両方の作用を阻害するデュタステリドについては次回ご紹介します。
フィナステリドやデュタステリドを服用することで血清PSAはどう変化する? ※クイズの無断転載・無断利用を禁じます。ご注意ください。
約1~5%の頻度で性欲減退、1%未満の頻度で勃起機能不全・射精障害・精液量減少などが認められています。
[※頻度不明でそう痒症・じんま疹・発疹・血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面浮腫含む)、睾丸痛・血精液症・男性不妊症/精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)、肝機能異常、乳房圧痛・肥大、抑うつ症状、めまいなどが認められています。]
プロペシア錠を投与中は血清前立腺特異抗原(PSA)の濃度がほぼ半減しますので、プロペシア錠投与中に前立腺ガン診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、2倍した値を目安として評価する必要があります。
アンドロゲンは,前立腺癌の発生に関与している.5α還元酵素阻害薬であるフィナステリドは,テストステロンがジヒドロテストステロン(前立腺の主なアンドロゲン)に変換されるのを阻害して,前立腺癌のリスクを減少させる可能性がある.
MRI検査と高感度PSA(前立腺腫瘍マーカー)です。 高感度PS
プロペシアは5α-還元酵素を阻害し、男性型脱毛症の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)*産生を抑制します。
DHTの働きは胎児期と思春期以降で異なります。胎児期には男性胎児の外性器の正常な分化という重要な役割を果たしますが、思春期以降には、男性型脱毛、前立腺肥大、ニキビなど好ましくない症状を引き起こします。
前立腺癌予防試験(Prostate Cancer Prevention Trial)において,直腸指診で正常所見を示し,前立腺特異抗原(PSA)値が 3.0 ng/mL 以下であった 55 歳以上の男性 18,882 例を,7 年間フィナステリド(5 mg/日)を投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.毎年測定する PSA 値(フィナステリドの影響を補正)が 4.0 ng/mL を超えるか,直腸指診で異常が認められた場合に,前立腺生検を勧めた.参加者の 60%が,試験期間に前立腺癌と診断されるか,試験終了時に生検を受けることが予測された.主要エンドポイントは,研究 7 年間における前立腺癌の有病率とした.
PSA)の濃度が約 40% 低下した。 他社の海外臨床試験において、高年齢層の前立腺肥大症患者
前立腺癌は,最終解析のデータのあったフィナステリド群の男性 4,368 例中 803 例(18.4%)と,プラセボ群の男性 4,692 例中 1,147 例(24.4%)に認められ,有病率は 7 年間で 24.8%減少した(95%信頼区間 18.6~30.6%;P<0.001).Gleason 分類で 7,8,9,10 の腫瘍は,フィナステリド群(757 個の腫瘍中 280 個 [37.0%],すなわち最終解析対象 4,368 例の 6.4%)のほうが,プラセボ群(1,068 個の腫瘍中 237 個 [22.2%],群間の比較の P<0.001;すなわち最終解析対象 4,692 例の 5.1%,群間の比較の P=0.005)よりも多かった.性機能への副作用はフィナステリド投与男性で多くみられたが,泌尿器症状はプラセボ投与男性でより多くみられた.
"男性型脱毛症(AGA)治療薬であるフィナステリド(プロペシア®)やデュタステリド(ザガーロ®)を飲むと不妊症になるのでしょうか?"という話題についての論文を紹介し、3回にわたってお伝えいたします。
男性型脱毛症(AGA)治療薬であるフィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発されました。さらに、AGA治療薬としても適応となり利用されています。また、前立腺癌の予防効果も証明されています。日本では、0.2mgと1mgの使用が認可されていますが、保険収載はされていないため、自費診療での使用となっています。フィナステリドは、主要な男性ホルモンであるテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α-還元酵素の作用を抑制することにより治療効果を発揮します。この結果、体内のジヒドロテストステロンの濃度は減少し、テストステロン濃度は上昇します。ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンとしてもっとも強い作用を有するため、この薬剤により男性ホルモンの作用がある程度抑えられることになります。この薬剤は5α-還元酵素II型を抑制します。精子形成には男性ホルモンが必要なために、当初から精子形成に影響を及ぼすことが懸念されていました。海外では前立腺肥大症に対してフィナステリド1日5mgが投与されており、この量では精液量が25%減少すること、そのほか前立腺体積が20%縮小すること、前立腺癌の腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)の50%減少効果があることが既に報告されていました。
論文の要旨:
この論文は、フィナステリド1日1mgを内服することの影響を検討したものです。精子形成や、精液量、前立腺体積、PSA値がどのように変化するかについて、多施設の二重盲検無作為化比較試験にて解析しています。
解析対象となったのは、19歳から41歳の健常者181名です。これらが無作為にフィナステリド1日1mgを内服する群および偽薬(プラセボ、有効成分の入っていないもの)を内服する群に振り分けられました。フィナステリドおよび偽薬は、48週間内服し、60週間休薬しました。
結果:
フィナステリド1日1mg内服により、精子濃度、総精子数、精子運動率、精子正常形態率に有意な変化はありませんでした。精液量はフィナステリド内服群で0.3mL(11%)の減少、偽薬内服群で0.2mL(8%)の減少で、両者の差の中央値は0.03mLで有意なものではありませんでした。一方、フィナステリド内服群で前立腺体積は2.6%の減少、PSA値は0.2ng/mLの減少でいずれも有意な変化でした。この変化はフィナステリド中止によりもとにもどりました。
結論:
若年健常者において、1日1mgのフィナステリド内服48週間では、精子形成や精液量に影響はないということになります。また、前立腺肥大がない若い方でもフィナステリド内服により前立腺体積は減少しましたが、中止により回復しました。
へのフィナステリド投与により血清 PSA 濃度が約 50% 低下.
フィナステリドは,前立腺癌の発生を予防あるいは遅延させるが,こうした利益の可能性や泌尿器障害のリスクの減少は,性機能に関する副作用や悪性度の高い前立腺癌のリスク増加と比較検討されるべきである.
フィナステリドは薬剤の一般名です。「プロペシア®」はフィナステリドの先発品の商品名です。単に「フィナステリド」と言った場合は、様々なメーカーから製造されているジェネリック医薬品を差します。例:フィナステリド 1mg「FCI」のように、一般名「会社名」のように表記されます。プロペシアもフィナステリドも効果効能に差はありません。
服用中はPSA値(前立腺がんの腫瘍マーカー)が低下します。もし健康診断などで ..
食事の影響は受けませんので、食前・食後を問わず服用可能です。フィナステリドは半減期が短い(後述)ので、服用を忘れるとジヒドロテストステロンのブロックが疎かになります。をしましょう。
内服薬は、前立腺がんの腫瘍マーカーPSA値を半減させます。 ・服用中の方は ..
フィナステリドの効果を実感するには年月が必要です。少なくとも6ヶ月間毎日服用することで早い人は効果を実感し始めます。AGA治療を続けていくほど毛周期が正常化した毛髪の割合が増えるので、長く続けるほど効果は実感しやすくなります(毛髪全体が生え変わるのには数年かかるため)。目に見える変化が現れるまで最低1年はかかると考えましょう。
5α還元酵素阻害薬、前立腺がん発症を予防、生存は改善せず/NEJM
前立腺がんの腫瘍マーカーを調べる検査には影響が出る恐れがあります。健康診断の検査項目を事前に調べるようにしてください。
フィナステリド、デュタステリドを服用していると、前立腺がんの検査指標である「PSA」値が低下するためです。 ..
フィナステリドは進行予防効果がとても優秀です。先発品であるプロペシアのデータでは、服用患者の98%は3年間でAGAの進行を認めなかったというデータがでています。また進行予防効果にとどまらず、維持・改善効果も期待できます。服用1年後から維持した割合が40%、改善を認めた患者割合が58%と優秀な維持・改善効果を認めました。服用を続けるにつれ改善の割合は上昇し、3年後には78%の患者が改善を認めています。
⇨検査で測定されるPSA(前立腺腫瘍マーカー)の値を約50%低下させてしまうため ..
フィナステリドは肝代謝の薬剤です。また肝機能障害がある患者さんを対象とした臨床試験を行っておりませんので、肝機能障害がある方は服用に注意が必要です。がございます。しかし、これはフィナステリドに限った話ではなく、ほぼ全ての薬剤で共通して注意すべきことです。国内の臨床試験では肝機能障害の報告はなく、海外では0.2%の頻度で肝機能障害が報告されています。
フィナステリド(プロペシアジェネリック)が効かない原因と対処法.
プロペシアは脱毛を予防する薬剤です。健康診断の基本的な項目には影響が出ることはないと言われています。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドを内服していると前立腺がん腫瘍マーカーのPSA値を約50%低下させることが知られています。 ..
フィナステリドは前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれる、前立腺がん検診で使用される腫瘍マーカーを約50%減少させます。前立腺がん検診を受けられる予定の方は、必ず申告をされてください。がん検診に限らず、医薬品になりますので医療機関受診の際は申告をお願いします。
前立腺がん検診(PSA検査)を受ける予定がある場合は早めにご相談いただくか、検診先で必ずお伝えください。 ◇ 薬の取り扱いについて
フィナステリドは割って飲まないようにしましょう。割れたり砕けたりした場合、安全性・有効性は保証されていません。また前述の経皮吸収による発育障害のおそれがありますので、保管には十分注意をされてください。
プロペシアは、前立腺がん検査で測定されるPSA値を約50%低下させることが知られています。
前立腺がんの発見が遅れる可能性もあるため、医師に伝えるようにしてください。
プロペシアとは、一般名フィナステリドと呼ばれ米国メルク社が開発し、現在 ..
精液中への移行は極めて微量で男性の生殖能力への影響は知られていません。しかし、精子の数や精液量が減少したり、精子の運動を弱めてしまう可能性があるため、一時中断を勧めています。中断の目安はフィナステリドは少なくとも性交渉の1週間前に中止を推奨しています。
先発医薬品のフィナステリド錠であるプロペシアの添付文書には、服用した方の1 ..
海外通販を経由して入手したのフィナステリドには製造過程が不明で粗悪な医薬品が紛れ込んでいる可能性があります。粗悪な医薬品には以下の可能性があり、健康被害の発生するおそれがあります。
フィナステリド(Finasteride) は、もともと前立腺肥大症の治療薬 ..
プロペシアは、健康診断の基本的な項目には影響がないと言われています。前立腺がんの判定を行う検査の場合には、影響を及ぼす恐れがあります。
プロペシアは肝臓で代謝される薬です。服薬中に肝機能異常がみられた ..
medockで行なっている前立腺の検査は骨盤部MRI検査と高感度PSA(前立腺腫瘍マーカー)です。
フィナステリド(プロペシア錠)やデュタステリド(ザガーロカプセル)を内服する ..
PSAは前立腺特異抗原(prostate specific antigen)という、前立腺の表面を覆う細胞から分泌されるたんぱく質です。多くは精液中に分泌され、一部が血液中に取り込まれます。がんや炎症などによって前立腺の組織が壊されるとPSAが血液中に漏出します。基準値は4ng/mL以下で、年齢によって基準値を低く設定する場合もあります(65歳未満は3ng/mL以下)。PSAが4~10ng/mLの方の25~40%に前立腺がんが発見されます。前立腺がんを早期発見するのに有用な検査ではありますが、異常値が出たからといって必ずしも前立腺がんというわけではありません。4ng/mL以下で前立腺がんが見つかる方や、10ng/mLでがんが見られない方もいらっしゃいます。また、前立腺肥大や前立腺炎でもPSAは上昇し、射精や長時間の車の運転のような前立腺への刺激でも上昇することがあります。反対に、脱毛治療薬であるプロペシア(フィナステリド)はPSAを約50%低下させることが知られておりますので、服用されている方はPSAの値を倍にしてお考えください(倍にした数値が4ng/mL以上であればD2判定になります。)。
現在使用されているAGA治療薬のフィナステリド(プロペシア?)とデュタステリド ..
前立腺の形状や大きさ、内部構造をMRIで観察し、前立腺がんや前立腺肥大などの骨盤腔内疾患をみつける検査です。膀胱や精嚢腺の評価も可能です。検査時間は20分程度です。
T1、T2という見た目が異なる画像と、周辺の脂肪信号を抑制した画像、水分の動き(ブラウン運動)を画像化した拡散強調画像を撮影します。これらにより前立腺の形状や内部構造を観察することができます。