医療用医薬品 : オルガドロン (オルガドロン点眼・点耳・点鼻液0.1%)
メサデルム軟膏・クリーム・ローションの薬価は10.7円/gです。軟膏とクリームは5g包装と10g包装があり、ローションは10g包装があります。各剤型・包装の薬剤費は以下のとおりです。
点眼点耳点鼻液であり、炎症性、アレルギー性の外眼部及び外眼部疾患に対
軟膏は、指の関節一つ分の量(約0.5g)で手のひら2枚分くらい塗布できます。
したがって、グリメサゾン軟膏10g/本であれば、手のひら40枚分くらいの範囲に濡れることになります。
毎日手のひら2枚分くらいの範囲に塗布する場合、10g/本を約20日で使い切ることになりますので参考にしてください。
グリメサゾンと同成分の市販薬は販売されていません。
ただし、グリメサゾンに配合されているデキサメタゾンを主成分とする市販薬はあります。また、グリメサゾンと同じミディアムクラスのステロイド外用薬も販売されています。
しかし、市販薬はグリメサゾンと成分も適応も異なるため、まったく同じように使うことはできません。万が一、市販薬を5~6日ほど使用しても症状が良くならない場合、あるいはかえって症状が悪化した場合は、すぐに使用をやめて早めに診察を受けてください。
1mL中にデキサメタゾンリン酸エステルナトリウム1.0mgを含有する。 効能 ..
グリメサゾンの剤型は軟膏のみで、薬価は29.6円/gです。規格は5g/本や10g/本などがありますが、薬価はそれぞれ148.0円、296.0円になります。
もっとも、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額です。例えば、3割負担の患者さまがグリメサゾン軟膏10g/1本を処方された場合、ご負担金額は88.8円になります(薬剤費のみの計算です)。
なお、グリメサゾンにはジェネリック品がありません。薬局で希望しても変更できませんので、ご承知ください。
グリメサゾンの妊娠中の使用については、安全性が確立していません。そのため、大量または長期にわたる広範囲の使用は避ける必要があります。
また、乳児・小児に対する長期・大量使用や密封法(ODT)は、発育に影響をおよぼす可能性が指摘されています。
さらに、高齢の方では一般的に副作用があらわれやすいため、大量または長期にわたる広範囲の密封法(ODT)などの使用については特に注意が必要です。
思わぬ副作用を避けるためにも、グリメサゾンを指示された範囲以外に塗布したり、漫然と長期間使用したりするのは避けてください。
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム, 【効能・効果】 <眼科用> 外眼 ..
メサデルムを長期間連用すると、薬を塗布した部分にニキビのような症状(ステロイドざ瘡)があらわれることがあります。ただ、発現率は非常に低く、再審査終了時におけるステロイドざ瘡の報告は0.1%にとどまっています。
副作用であらわれたステロイドざ瘡は治療が終了すれば少しずつ減ってきますが、症状によっては薬の漸減や変更も考慮しますので、気になる症状がある場合は診察時にご相談ください。
顔や陰部は皮膚が薄いため、体のほかの部位に比べてステロイドの効果があらわれやすい一方で、副作用の発現リスクも高くなります。メサデルムを使用する際は、指示された期間を超えて長期間連用したり、自己判断で広範囲に塗布したりしないようにしましょう。
外耳炎、中耳炎、アレルギー性鼻炎など)、術後処置 【用法・用量】
メサデルムには、軟膏・クリーム・ローションの3つの剤型があり、疾患の種類や皮疹の状態、部位、季節に応じた使い分けが可能です。
軟膏は皮膚への刺激が少なく、湿潤型・苔癬化型のいずれにも使用できます。
クリームはW/O型(油性型)ですが、べたつきが少なく使用感に優れています。また、皮膚への浸透性に優れ水にも強いのが特徴です。
ローションはのびが良くさらっとした使用感で、有毛部や広範囲への塗布に適しています。
なお、軟膏とローションには、添加物として肌なじみの良いスクワランが配合されています。
国内で実施されたメサデルムの一般臨床試験では、ステロイド外用剤が適応となる皮膚疾患に対して有効率が85.4%であったことが報告されています。また、再審査終了時におけるメサデルムの副作用発現率は1.1%で、その多くは塗布した部位に局在したものでした。
外耳炎では 8例 (13耳) 中, (+) 2例 (3耳), (+) 2
グリメサゾン(一般名:デキサメタゾン・脱脂大豆乾留タール)は、ステロイドであるグリメサゾンと、消炎作用・止痒作用・乾燥作用を有するグリテール(脱脂大豆乾留タール)の配合剤です。抗炎症作用や血管透過性亢進抑制作用によって、湿疹や皮膚炎のかゆみ・腫れなどの症状をおさえます。
馬:関節炎、筋炎、腱炎、腱鞘炎 犬:湿疹、外耳炎、非感染性皮膚炎、関節炎 猫:湿疹、関節炎
成因:鼓膜は3層構造になっていて、外側は扁平上皮で、内側は粘膜で、中間層に放射状線維と輪状線維があって、鼓膜の形態を保っているわけですが、中耳炎で大きく穿孔したあと再生した鼓膜では、線維組織が消失して、瘢痕状のペラペラとした鼓膜になってしまいます。そうすると中耳の軽度の陰圧でも大きく陥凹して中耳の粘膜に張り付いてしまいます。最初は、耳管通気で中耳を陽圧にすると膨らみますが、炎症などを起こすと中耳の粘膜に線維性に癒着してしまいます。耳管機能障害がベースにあること多くあります。
予防:鼓膜線維をなるべく傷つけないことが大切ですので、鼓膜切開はなるべく避けたほうがよいと思います。急性中耳炎による大きな鼓膜穿孔を避けるために、中耳炎の適切な治療が大切でしょう。やむを得ず、鼓膜がペラペラの瘢痕になってしまった場合は、癒着を防ぐために、鼓膜を浮かしておくことが大切です。頻回の耳管通気も悪くはありませんが、できればバルザルバ手技を患者に教えて朝夕自分でやってもらうのが理想的でしょう。鼓膜チューブ挿入を勧めている書もありますが、鼓膜が菲薄化しているため、大きな鼓膜穿孔になってしまう可能性があるので勧められません。鼓膜が浮いている状態になっていれば、長い間に収縮して緊張のある鼓膜になっていくようです。
手術:鼓膜が線維性に癒着してしまった場合の治療は手術しかありませんが、鼓膜を剥離したあとの中耳の後壁に粘膜がないため、再癒着してしまうことが多く、手術成績は悪いようです。
平成23年10月18日 記
持続又は遷延する膿性耳漏を有する中耳炎患者に併発した外耳炎では、中耳炎及び外耳炎 ..
11.1.3. 〈眼科用〉穿孔(頻度不明):角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は角膜外傷等に使用した場合には、角膜穿孔を生ずることがある。
症状, 外耳炎、真菌感染、ミミヒゼンダニ(耳ダニ)、マラセチア性外耳炎
11.1.3. 〈眼科用〉穿孔(頻度不明):角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は角膜外傷等に使用した場合には、角膜穿孔を生ずることがある。
中耳と外耳の疾患 | 徳島 大櫛耳鼻咽喉科 はな・みみサージクリニック
①概念
耳管とは、鼻と中耳をつないでいる管であり、通常は閉鎖しており、嚥下やアクビをする時に開いて中耳の気圧と外界の気圧を同じにして、鼓膜の可動性を最良の状態に保つ働きをしていると考えられる。耳管が開いたままの状態が持続すると、耳管開放症になる。
②症状:自声強聴と言って、自分の声が耳管を通って耳に到達して大きく聞こえる。また、鼻で強く呼吸すると圧力の変化で鼓膜がペコペコと動くのが感じられることがある。また、臥位になると、耳管が閉鎖して症状が改善することがある。
③原因:小林俊光は、体重減少、脱水、低血圧、中耳炎、外傷、シェーリング症候群、放射線治療による粘膜萎縮、扁桃摘出術後、口蓋裂、顎関節症、三叉神経切断、自律神経異常、ハンセン氏病、吹奏楽演奏が原因となることがある、としている。
自験例では、鼻咽腔の炎症(感染性及びアレルギー性)で耳管咽頭口が腫れて、そのために耳管開放状態になるケースが多いように思われる。耳管咽頭口の内部が腫れると耳管狭窄症になるのに対し、耳管咽頭口の周囲が腫れると耳管が周囲に引っ張られて耳管開放症になるのではないか、と私は考える。
④検査所見:聴力検査をすると、低音部がやや低下していることがある。これは、太鼓と同じで、片面だけにしか皮を張らない太鼓は音が反響せず、大きな音が出ない。つまり、耳から入ってきた低音が中耳で反響しないで、耳管を通して鼻に漏れてしまうので聴力が低下すると考える。
⑤診断:「自分の声が耳に響く」という特異的な症状を訴える場合に本疾患を疑う。聴力検査、ティンパノメトリの所見も参考にするが、最終的には耳管通気を行って、軽微な圧力で空気が通過することで、確診する。
⑥治療:小林俊光らは、生理食塩水点鼻療法として、スポイトを用いて生理食塩水を点鼻しているという。2週に一度処方しているが、実際には患者自身に点鼻回数、量を委ねているという。生食が耳管咽頭口に入り、塞ぐこと、また耳管粘膜を湿潤させることにより、症状を軽減させていると考えているという。湯浅涼らはプロタルゴール(プロテイン銀)を用い、良い結果を得ているというが、東北大では、ルゴール通気を行うことによって、耳管咽頭口粘膜に炎症を起こすことにより、耳管開放症状を軽減させるという。プロタルゴールとルゴールの性質の違い・治療効果の違いは検討していないので、今後の課題にしたいと思う(高田雄介,他:第115回宮城県地方部会,平成15年12月6日)と述べている。
当院では、以前はプロタルゴールを1mlの注射器に0.3ml取り、耳管通気の際、ゴム管に針を刺し、送気と同時に一気に注入して、耳管に注入するという方法を行ってきたが、最近は病態の主体は炎症であるという考えから、リンデロン液の注入を行う治療法を行っており、まずまずの効果を得ている。いずれにしても、鼻咽腔の炎症を抑えることが大切であり、抗生剤や抗アレルギー剤を必要に応じて全身投与している。
日本大学では耳管ピン挿入術を第一選択の手術療法として行っている、という。イオントフォレーゼ麻酔を行った後、鼓膜の前上象限を切開して耳管の方向にシリコン製の耳管ピンをゆっくり挿入し、鼓膜切開孔をベスキチン膜で覆うだけである。挿入する耳管ピンの全長は23mm、先端横径は1~2mm、鼓室側の根部に近づくに従い幅は広くなる。この治療は約80%の症例に効果を認めている。ただし、術後に鼓膜穿孔の残存(28.0%)、滲出性中耳炎(14.7%)などの合併症の報告がある。(大島猛史:日耳鼻 119:1366-1372,2016)
付:鼻すすり型耳管開放症について:小児は、鼻漏が溜まったときに、鼻をかむことができなくて、鼻をすするクセがついていることがある。鼻をすすると中耳の空気が吸い出され、陰圧になり、耳管が閉鎖されると同時に耳管咽頭口の粘膜が圧迫され、その状態が長く続くと、粘膜の萎縮が起こり、耳管開放症になってくる。小児の滲出性中耳炎では、耳管通気度が良好なことが多いが、この鼻すすり型耳管開放症による中耳の陰圧が滲出性中耳炎の原因になっているのではないかと考える。治療としては、まず、鼻すすりの原因となっている鼻漏を止める治療が大切である。また、鼻はすすらず、静かにかむよう指導することが大切である。一時的には耳管開放症状が気になるが、しばらくすると粘膜の状態が改善して自然に耳管開放症状が消失してくるものである。鼻すすりが止まらないと、鼓膜が陥凹して、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎を起こしてくることがあるので、注意が必要である。
平成29年1月13日改訂
同効薬:デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、デキサメタゾンメタスルホ安 ..
(この項については、本庄厳著: 滲出性中耳炎の正しい取り扱い (金原出版) を参考にしました)
①疾患名と成因について
滲出性中耳炎という名称は、いかにも中耳に炎症があるようで、適切な病名ではないと思う。私は、「耳管機能障害」という病名が適当と考えるが、ここでは通称として、滲出性中耳炎という病名を使用する。病因として①上気道の炎症と②耳管障害が考えられているが、耳管換気能障害部位が耳管咽頭口付近であるといわれていることから、鼻咽腔の炎症などにより、耳管咽頭口の粘膜が腫脹し、耳管障害が起こるものと考える。
また、小児では鼻漏が出ているときに、鼻をかむのを面倒くさがり、繰り返し鼻をすすっている光景をしばしば見かける。鼻をすすると中耳の空気が吸い出され、陰圧になって耳管の粘膜が引き込まれ、耳管が閉鎖してしまうことがあると思われる。
老人では、鼻咽腔の炎症がなくても滲出性中耳炎を発症することがあり、通気しても通過がかなり悪いことがある。加齢に伴って耳管機能が低下して汚染され炎症が起こって、耳管の粘膜が広範に腫脹して狭窄しているものと考える。
成人でも滲出性中耳炎を起こすことがあり、通気しても通過がかなり悪いことがある。この場合はアレルギー性鼻炎に伴う粘膜腫脹があるのかと考えている。
②症状
耳閉感、難聴、耳鳴が主な症状で大人では、「高い山に登ったときのような感じ、トンネルに入った感じ」と訴えることが多い。小児では、症状を訴えないことがあり、親が難聴に気付いて受診することが多い。
③診断
鼓膜をブリューニング拡大耳鏡で観察し、ゴム球で外耳道に加減圧を加えることにより、鼓膜の可動性を観察する。鼓膜に透明感があって、加減圧に伴い、前後に鋭敏に動くようであれば正常であるが、減圧時のみ前方に動くのであれば鼓膜が陥凹していると考えられ、また、小児によく見られる粘調な滲出液が溜まっている場合は、鼓膜表面にシワシワができる。成人によくみられる漿液性の貯留液の場合は、液面の上下がみられることもある。ただし、軽微な陥凹はティンパノメトリを行わないとわからないことがある。
検査は、まず、気道純音聴力検査を行い、難聴の有無を確認する。難聴がほとんどなければ、あまり積極的な治療は必要ないと思う。次にティンパノメリを行うが、この検査は、難聴が軽微であっても鋭敏に異常のパターンを示すことがある。骨道検査は通常は必要ないと思われるが、気導検査の値が悪くて、ティンパノメトリが正常の場合は、感音難聴や耳硬化症、鼓膜、耳小骨の異常が疑われるので、骨導検査が必要になる。
成人で、難聴がほとんどなく、ティンパノメトリもA型であるのに耳閉感を訴える場合がある。この場合は、耳管通気を試みるとよい。意外と耳管狭窄があることがある。
耳管通気は治療法であるとともに、滲出性中耳炎の診断にも役立つ。耳管狭窄があれば狭窄音、滲出液があれば断続音がするので、検査の結果と合わせて総合的に判断する。
通気後の鼓膜所見も大切である。鼓膜が膨らんでいれば通気度は良好であり、滲出液がある場合は、液面がはっきりしてくることが多い。
④治療
a)炎症の制御: 耳管咽頭口の炎症性腫脹を制御することが、大切である。副鼻腔炎が原因の場合は、抗生剤などの治療によりできるだけ治癒させる。アレルギー性鼻炎が原因になっている場合、内服薬及び点鼻液を使用して、腫脹を取り、常に鼻が通っている状態を維持するようにする。耳管咽頭口の炎症性腫脹が制御できなければ、滲出性中耳炎の治癒は困難である。
b)薬物治療: セファランチン、柴苓湯、ムコダインなどを使用したことがあるが、効果を認めたことはほとんどない。
c)耳管通気: 一般にポリッツェル球による方法と耳管カテーテルによる方法がある。効果の持続については、中耳の陰圧を目安にすると通気後数十分で元の陰圧に戻ってしまうというデータもあるが、時々、鼓膜を膨らませて、鼓膜の固着を防いだり、耳管を開存させるという意味で有効な治療法である。また、バルザルバ法により、自己通気ができるようになったら、朝夕行うよう指導すると、滲出性中耳炎が急速に治癒に向かう例がある。
d)鼓膜切開: 鼓膜切開を一度するだけで、滲出性中耳炎が治癒することは稀である。繰り返し、切開を行うと鼓膜の線維が切断され、瘢痕治癒が起こるので、私は鼓膜切開を行わない。
e)鼓膜穿刺: 穿刺孔は、ほとんど瘢痕なく治癒するので、繰り返し行ってもよい。また、穿刺孔より吸引することにより、かなり粘調な滲出液でも除去できるので、排液という意味では十分である。小児では、滲出液が溜まる度に1週間に1回づつ行ってもよいし、繰り返し行っているうちに滲出性中耳炎自体が軽快してくるものである。但し、患児の協力が必要である。
f)鼓膜チューブ留置術:
・適応: 成人の場合は、鼓膜穿刺を数回行ってもすぐに滲出液が溜まってしまう場合で、耳管機能の回復が得られにくいと思われる場合を適応としている。 小児の場合は、気長に通気療法と鼓膜穿刺を行っていると、時期がくれば自然治癒していくものであり、水泳に支障が出ること、将来チュープが抜けたあとに鼓膜が瘢痕化してしまうので、保存的治療で対処できない場合以外は原則として行っていない。
・使用するチュープ: 最近、専ら使用しているのは、KOKEN 鼓膜ドレイン Bタイプで、挿入しやすくするため、2ヶ所にハサミで切り欠けを入れて使用している。 KOKEN鼓膜ドレイン Cタイプを使ったことがあり、TDプランジャーを使えば簡単に挿入できるが、抜けやすく確実性がないので使うのをやめた。 T型チューブを使用したこともあり、専用の器具を使えば挿入は容易であるが、管が長いため、閉塞しやすく、倒れてしまってきれいに保持できなかったのでやめた。
・手技: 鼓膜の麻酔には小綿球を4%キシロカインに浸したものを5分くらい、鼓膜にあてておく。その後、綿球を除去して溜まっている4%キシロカインを吸引除去する。4%キシロカインが残っていて中耳に入ると、後でめまいを起こすことがあるので注意が必要である。この程度の麻酔で、患者さんは痛みを訴えることはほとんどなく、特殊な鼓膜麻酔液やイオントーホレーゼは必ずしも必要ないと考えている。
鼓膜切開は鼓膜の前下象限の中央を大き目に切開する。切開には専用の鼓膜切開刀があるが、私は21Gカテラン針にホルダーとして1mlシリンジを付けてメスの代わりにしている。極小鉗子で管の穴と外をつまんで、切開穴から内部フランジを挿入する。この時、切開が大きいほうが容易に挿入できるが、外部フランジが鼓膜の奥に入ってしまわないように注意して辺縁に引っ掛けておく。大きく切開しても、1週間程度で縮小してくるので、問題はない。
術後の感染予防としては、タリビット耳科用液を朝夕、1週間程度点耳してもらうようにしているが、これだけで十分のようである。
・効果: 中耳の滲出液は、主に耳管を通して鼻咽腔に排泄されていくようです。つまりチューブを通るのは空気だけである。チューブが閉塞しても心配はいりません。チューブが入ってる限り、空気はチューブと鼓膜の間の隙間から十分入っていくようである。
チューブは感染がない限り、ずっと入れておいて支障なく、患者さんも特に違和感を訴えることもない。数ヶ月入れておくと、滲出液が完全に排除され、滲出液による刺激がなくなるためか、耳管機能が回復してくることが多く、そうすればチューブが脱落したあとも再発はない。
・水泳について: チューブ挿入児でも、耳栓をすれば、水泳は可とする意見もありますが、小児の場合、耳栓使用が適切に行われることは少なく、プールの季節にはが中耳炎を起こしやすく困ります。
g)アデノイド切除術: 本庄厳によると、アデノイド切除術は、耳管咽頭口付近の炎症を改善させることにより、短期的には治癒までの期間を短縮することはできるが、3年後の治癒率では差がなくなっている、という。
⑤その他
a)難治化する要因:
・乳突蜂巣の発育が抑制されている。
・耳管が高度に狭窄している。
・鼻すすりで中耳に陰圧が生じる閉鎖不全耳管。
b)滲出性中耳炎の経緯: 3,4歳で発生頻度が最も高く、7,8歳頃から自然治癒の傾向を示し、10歳までには多くが治癒にいたる、という。
c)コレステリン肉芽腫の成立には高度に障害された耳管と、遷延する上気道炎とが同時に存在することが必須条件、という。
d)真珠腫性中耳炎との関連: 滲出性中耳炎の治癒遷延例と中耳真珠腫とでは、耳管障害と上気道炎のいずれの点でも共通点が多く、難治性滲出性中耳炎が真珠腫発症のハイリスクグループとみなしうるが、直接移行する例はごく少数にしか認められない、という。
e)癒着性中耳炎: たわみやすい鼓膜があり、これに耳管の閉鎖不全や鼻すすりによる中耳の陰圧化が加わることで、鼓膜の菲薄化、さらに癒着という不可逆的な病態に至るプロセスが考えられる、という。 たわみやすい鼓膜は何故できるか、遺伝性に鼓膜の線維が少ないのか、急性化膿性中耳炎が遷延し、大きな鼓膜穿孔を起こし、その治癒過程で瘢痕性の薄い鼓膜で閉鎖するのか、鼓膜切開を繰り返したため瘢痕治癒するためか、わからないが、医原性に瘢痕鼓膜を生じる原因をつくることは慎まなければならないと思う。
平成26年7月3日改訂
炎[ネオメドロールEE軟膏の適応症]外眼部・前眼部の細菌感染を伴う炎症性疾患/外耳の湿疹・皮膚炎/耳鼻咽喉科領域における術後処置
外耳・中耳(耳管を含む)または上気道の炎症性疾患・アレルギー性疾患(外耳炎、中耳炎、アレルギー性鼻炎など)、耳鼻科術後処置。
陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以
は強さにより5段階に分けられますが、グリメサゾンは下から2番目のミディアムクラスに分類されます。同じ強さのステロイド外用薬としては、アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)、、リドメックス(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、レダコート(トリアムシノロンアセトニド)、などがあります。
比較的作用がマイルドなので、顔や陰部などの皮膚の薄い部分の治療にも使われることがあります。また、赤ちゃんなど幼いお子さまに処方されることもあります。
なお、タール剤とステロイドを配合した外用薬は、日本においてはグリメサゾンのみです。グリメサゾンは、デキサメタゾンのみを主成分とする外用剤と比較して症状が再発するまでの期間が長く、再燃性を低減させる作用が期待できます。