抗菌薬ジェナニックとクラビットの違いを、薬剤師ライター・加藤哲也氏が解説。クラビットよりジェニナックのほうが細菌作用は強いといえます。


ジェニナックとクラビットは、日常診療でもよく処方される薬です。
クラビットは、膀胱炎、肺炎、腸炎など多くの病気で使用されています。
ジェニナックは、クラビットが効かない呼吸器疾患にも有効のため、耐性菌の発生を考えると最後の砦のような薬です。
どちらの薬剤も心臓、脳に対する副作用を持ち、腎機能低下の患者さんに投薬するときや相互作用に注意を払う必要があります。同じ分類の薬剤であっても、それぞれの特徴を比較しながら注意すべき点に留意して服薬指導に活かしましょう。


B.2 肺炎 Hospital acquired pneumonia

クラビットは併用禁忌はありません。併用注意のみです。ニューキノロンは結構 併用禁忌がおおく、鎮痛薬NSAIDsも禁忌の場合があります。糖尿病の方にガチフロキサシンを投与するのが禁忌になりました。

アジスロマイシン(ジスロマック)という内服薬が第一選択です。マクロライドという種類に含まれる抗生物質のため、妊娠中も服用することができます。
ジスロマックは一度に250mg錠を4錠内服しなければなりませんが、1回の内服で済みます。

併用するか,レスピラトリーキノロン(ガレノキサシン,モキシフロキサシン ..

血液の凝固を阻害する薬です。脳血管や心臓血管に障害があるときに出されています。血液が固まるときにそのシステムの何箇所かでVitaminKが必要なのですが腸管からの吸収を阻害します。VitaminKを静脈注射することで3-6時間で凝固が回復します。アスピリン(小児用バファリン)などと違ってコントロールしやすいので良く処方されています。 ところで腸内細菌もVitaminKを産生しています。抗菌剤は腸内細菌をやっつけますので、すべての抗菌剤は併用注意となっています。しかし短期間の投与ではそれほど影響はないと思います

②テオフェリン(商品名テオドール)はキサンチン系気管拡張剤で喘息などによく処方されています。ニューキノロン剤と併用するとテオフェリンの血中濃度をあげることがおおいのですが、クラビットにその作用はありません。

〇この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を使用している場合や、新た

近年注目されてきたのですが、ジスロマックにはバイオフィルム破壊能があるようです。このことと炎症部位に長く留まり濃度が高くなる性質を利用して、ジスロマックを投薬して、薬が効いているうちに歯石除去を全額行ってしまう方法とか、投薬で歯周病を治そうという試みがあります。

マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。

抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

④ワーファリンはVitaminKの吸収阻害によって血液の凝固を阻害しますが、抗菌剤はVitaminKを産生する腸内細菌を殺してしまうので、すべての抗菌剤は併用注意になっています。血漿蛋白との結合のしかたで比較的処方しやすい抗菌剤とそうでないものとにわかれますが、クラビットは良くわかりません。


[PDF] 【金属含有薬剤と相互作用を起こすおそれのある当院採用の経口剤】

抗菌剤は腸内細菌叢に影響を与え腸内のビタミンKを産生する腸内細菌を減らすために、ビタミンKが少なくなり、相対的に抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています。著明な影響は少ないので併用することは多いです。