閉経後の女性では、終夜の尿中メラトニン代謝物濃度低下が乳がんの危険性上昇と関係
2019年のIARCによる検討以降も,2件のコホート研究,4件の症例対照研究,1件のシステマティック・レビュー,1件のメタアナリシスが報告された。2019年に報告された英国で行われたコホート研究では,16歳以上の女性102,869人を対象として9.5年間の経過観察を行った。その結果,夜間勤務者のRRは1.00(95%CI 0.86-1.15)であった4)。2021年に報告されたポーランドで行われた症例対照研究では,35歳以上の女性乳癌患者494人と非乳癌の女性515人を比較した結果,夜間勤務を行ったことがある者のない者に対するORは2.61(95%CI 1.94-3.53)であった5)。2021年に報告されたメタアナリシスは,特に夜間勤務の長さと乳癌リスクとの関連を検討している。26件,1,313,348人を対象としたメタアナリシスでは,10年未満の夜間勤務者のRRは1.13(95%CI 1.03-1.24),10年以上の夜間勤務者のRRは1.08(95%CI 0.99-1.17)であり,夜勤の従事期間が短いほどリスクが増加する傾向を示した6)。
メラトニン · トリプトファン · がん · 生活習慣 · 乳がん · 生活リズム
ちなみに、がんを発症した方でウオーキングを1時間/週行った人は20%、3~5時間/週では50%、5時間以上/週では44%リスクを下げたという報告があります。この報告からも適度な運動がよく、やり過ぎることは逆効果になってしまいます。少し参考になりますでしょうか。
PubMedで“Breast Neoplasms”,“Breast Tumor”,“Breast Cancer”,“Circadian Rhythm”,“Work Schedule Tolerance”,“Shift Work Schedule”,“Night Work”,“Night Shift”,“Shift Work”,“Risk”のキーワードで検索した。新たな検索期間は2019年1月から2021年3月までとした。選択された海外文献該当58件より,タイトルと抄録により,BQに関連がないものや,明らかに抄録や総説とわかる論文を除き8件を選択し,このうちコホート研究1件,症例対照研究1件,メタアナリシス1件を採用した。今回の3件を加えた6件を本文の解説に引用した。国内文献に採択すべき文献はなかった。
がん治療におけるメラトニンの有効性(がんの種類別):文献的考察
すなわちいい栄養が体に吸収されやすくなり補給できます。食事が美味しいと感じることもできるでしょう。
次に、がんの患者さんも適度なexerciseは大切です。適度なウオーキングなどもいいでしょう。動くことが困難な方は窓を開けて深呼吸を毎日5分するというだけでもいいわけです。そうした体の動きをつけることで、やはり消化器の状態にも影響してきます。
乳がんにおけるビタミンDとメラトニンの抗増殖効果 (MELO-D) ..
乳がんでタモキシフェンによる治療をしている方も多いと思われますが、メラトニンをしっかり使ってあげますとタモキシフェンの効果にもいい働きをします。また、骨髄をサポートするので、抗がん剤の治療を行う人も多めに摂っていくとよいでしょう。とにかく、メラトニンに関してのポイントはその量です。
実際にまだ日本では、がん治療にメラトニンを積極的に取り入れていくということはほとんどやられていないのではないでしょうか。メラトニンはサプリメントで補給していくことは可能であり、特に乳がんの治療に取り入れていくといいでしょう。
乳がん 前立腺がん 抑制する 『 メラトニン 』 について紹介します。 メラトニン は、脳内の松果体において生合成される ホルモン です。
最近こんな報告もあるのです。女性ナースのデータですが、夜勤が多く睡眠のリズムが不規則になっていてメラトニンがきちんと出せていないということから乳がんが他の女性より増えているというのです。同様なことは、女医の勤務状況にも言えるでしょう。メラトニンは、がんを抑制しているという報告です。
ワーキンググループが選択した4件のメタアナリシスの中の最も新しい報告では,2018年5月までに発表された男女を対象とした前向き・後ろ向き研究を対象とし,夜間勤務とあらゆる癌のリスクに関するデータを統合し,乳癌の結果をサブグループ解析に含めた4)。37件の研究の結果に基づくと,女性夜間勤務者の乳癌のRRは1.22(95%CI 1.08-1.38)であった。
日中の太陽のようなまぶしい光が目に入ると、脳が昼と認識し、眠りをつかさどるホルモン・メラトニンの分泌が抑えられます。 ..
私はその後生活を変え睡眠をたくさん取り、体に有害な物とストレスをなくし、愛と穏やかな環境に包まれ癒されもう違う状態になっているから最初の診断とは違うわ、分かった?」と微笑みながら言うのです。
BQ9 夜間勤務は乳癌発症リスクを増加させるか? | 疫学・予防
17件のコホート研究のうち,欧州諸国で13件,中国で2件,米国で2件が実施されている。結果として,一般集団内の大規模コホートを含む多くのコホート研究では,乳癌の発症と夜勤の有無または夜勤時間の延長との間に正の相関は認められなかった。一方でワーキンググループは,小規模であったりデータの不足がある等,研究デザイン上の問題点を指摘している。夜間勤務と乳癌発生の関連を示した研究に,広範な年齢範囲にわたって乳癌リスクを評価した大規模コホート研究であるNurses’ Health Study(NHS)Ⅱ試験がある。乳癌発症のない115,022人の看護師を対象として12年間の経過観察を行った結果,全く夜間勤務に従事しなかった女性と比較して,夜間勤務に20年以上従事した女性の相対リスク(RR)は1.79(95%CI 1.06-3.01)であった1)。有意な関連は,デンマークのネステッド症例対照研究2)〔n=58,091,オッズ比(OR)1.8,95%CI 1.2-2.8〕やスウェーデンコホート3)(n=4,036,RR 20.2,95%CI 1.03-3.95)でもみられている。
睡眠時間が増加するとメラトニンという睡眠時に分泌されるホルモンの分泌時間が長くなり、このメラトニンが
2019年6月,International Agency for Research on Cancer(IARC,国際がん研究機関)はフランスのリヨンにおいて,16カ国27名の科学者からなるワーキンググループによる会合を開き,2020年に発癌と夜間勤務に関するモノグラフを公表し,2010年と同様に夜間勤務をGroup 2A(probably carcinogenic to humans:ヒトに対しておそらく発癌性がある)に分類している。これによると,最も多くの有益な研究が乳癌を調査しており,数件は前立腺癌および大腸癌を調査していたが,他の癌については調査されたものは少なかった。本ワーキングにおいて検討された乳癌に関する研究報告は,17件がコホート研究(ネステッド症例対照研究を含む),14件が症例対照研究,4件がメタアナリシスである。
口から入ったアミノ酸のトリプトファンからセロトニン、メラトニンと体内で生成されます。 ..
乳癌は一般的に西洋化の進んだ地域での発症率が高いため,疫学研究では食や生活習慣の西洋化に焦点が当てられ,乳癌との関連が疑われるさまざまな因子が取り上げられてきた。西洋化の一面として,夜間業務に携わる女性が増加してきたのは事実であり,女性のサーカディアンリズムの変化や夜間の電光曝露が関連性のあるリスクとして注目されてきた。
その理論的な根拠となったのは,1978年Cohenらによる松果体と乳癌との関連性についての報告,さらに1987年にStevensが報告した“melatonin hypothesis(メラトニン仮説)”である。Stevensはメラトニンと乳癌の関連性についてさまざまな実験報告をレビューし,電磁波や夜間の電光曝露によるメラトニン減少が内因性女性ホルモンの上昇や免疫系等に影響し,乳癌の発症率を増加させているのではないかと報告した。また,全盲女性における乳癌発症率の低値は,メラトニン仮説を裏付ける疫学的根拠となった。以後,この仮説を検証すべく夜間の電光曝露,あるいは夜間勤務と乳癌発症との関連性についていくつかの疫学研究が行われている。
[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]
健康な人もそうですが特にがんを患っている方は、体の中に入れる食べ物と体に接触させるものをできるだけ有害な物を避け、クオリティーの高いオーガニックな物を取り入れるようにしてください。安全な水をたくさん摂り、精製された砂糖を禁止し、とにかくがんの方は体に毒を入れないように!
・乳がん既往歴のある閉経後⼥性95名 (試験群48名、中央値58歳、アメリカ) を対
それから、いい栄養療法をするにも上記のセルフケアをみなさんにも実践して欲しいのですが、まずはがむしゃらにすべてを足し算的にスタートするでしょうが、最初にしなくてはいけないことは、まず今の状態から引き算をすること。そののち足し算を行うことです。
[PDF] 閉経後女性での中等度アルコール摂取とメラトニン 24 時間尿中レベル
meditationは怒りや不安、筋肉のこわばりを取り除きます。消化も促し、がん患者さんの落ちている消化器症状も改善させてくれます。そして、コルチゾールレベルもコントロールでき元気にもなってくるでしょう。
メラトニンの分泌が高まると、深部体温が低下し、からだが休息モードに導かれて ..
背景:疲労は放射線治療(RT)を受ける患者によく見られ、QOLに大きな影響を与える。安全で安価な天然サプリメントであるメラトニンは、症状を改善し、放射線治療の副作用を軽減する可能性がある。このランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験の目的は、RTを受ける乳癌患者における疲労およびその他の症状の予防に対するメラトニンの効果を評価することである。
方法:Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータスが3未満、ヘモグロビン9g/dL以上で、18歳以上の女性早期乳がん患者またはDuctal carcinoma in situ患者を、メラトニン20mgまたはプラセボに1:1で無作為に割り付け、RT開始前夜からRT後2週間まで経口投与した。無作為化は、治療期間(3週間未満、3週間以上)および前化学療法により層別化された。主要評価項目はFunctional Assessment of Chronic Illness Therapy-Fatigue(FACIT-Fatigue scale)であり、副次的評価項目はベースライン時およびRT後2週と8週に得られたFACIT-Fサブスケール、Edmonton Symptom Assessment Scale(ESAS)、Patient-Reported Outcomes Measurement Information System(PROMIS)スコアであった。主要評価項目については、4.5%の有意水準での両側ANOVA F検定が用いられた。二次分析は、有意水準5%のF検定を用いて報告された。目標は約140例の患者をリクルートすることで、中間解析はリクルート半ばに計画された。
結果:85人の患者が適格かどうかのスクリーニングを受け、79人が無作為に割り付けられた:40人がメラトニンに、39人がプラセボに無作為に割り付けられた;78人の患者が治療を受け、募集中期の時点で中間解析に組み入れられた。年齢、人種、ECOG performance statusのベースライン患者特性は両群で同様であった。治療効果は、経時的治療効果(治療×時間)を主要アウトカムパラメータとする縦断的混合効果モデルを用いて検討された。FACIT-Fatigueの治療×時間は、プラセボと比較してメラトニン群で統計的有意性(P値0.83)を示さなかった。さらに、FACIT身体的、社会的、感情的、機能的幸福スコアの二次分析でも統計的有意性は示されなかった(P値はそれぞれ0.35、0.06、0.62、0.71)。患者から報告された二次アウトカムとして収集されたPROMISの総得点も、統計的に有意な経時的変化を示さなかった(P値は0.34)。もう1つの副次的尺度であるESASを個々の項目ごとに分析したところ、不安(P = 0.56)、幸福感(.82)、眠気(.83)、食欲不振(.35)、吐き気(.79)、痛み(.50)、息切れ(.77)、睡眠(.45)、疲労感(.56)は有意ではなかった。抑うつはプラセボ群で0.01単位減少し、統計学的有意性を示した唯一の項目であったが、臨床的に有意な変化とは考えられなかった。メラトニンの忍容性は良好で、グレード3または4の有害事象は報告されなかった。最も一般的な副作用は頭痛、傾眠、腹痛であった。本試験参加中に死亡した患者はいなかった。2人の患者が乳癌再発により試験終了後1年以内に死亡した。16人の患者が、有害事象、試験薬とは無関係の入院、RT中止、COVID-19の注意事項など様々な理由で試験終了前に離脱した。
結論:この二重盲検プラセボ対照第III相試験では、メラトニンはRTを受ける早期乳癌患者の疲労およびその他の症状を予防することも有意に改善することもなかった。リクルート中期の解析では、効果のエビデンスがほとんど示されなかったため、試験の早期終了が確実となった。
乳がんについて知る | MSD oncology がんを生きる
アメリカではこんなにポピュラーで身近な存在なのに日本ではあまり浸透していないなんて、すごくもったいないと思います。今回の記事を通して、少しでもメラトニンに興味を持っていただければ幸いです。
※本記事は『統合医療でがんに克つVOL.135(2019年9月号)』にて掲載された『リオルダンクリニック通信4』を許可を得た上で一部調整したものです。
乳がんの特徴や症状、種類、検査/診断、治療、治療後の生活について、わかりやすく解説するサイトです。
がんを患っている方もセルフケアすることでどう治療して、どう生きていくか自分で決めることが大切なのです。人生はがんであろうがなかろうがすべてみな平等に1度きりです。私の患者さんでも末期がん、余命告知された方でもがんをはね除けた方が何人もいます。
転載許諾申請 | メラトニンと5FUが乳癌細胞増殖に及ぼす影響
いかがでしたでしょうか。今まさにがんと闘っている患者さん、がん予防目的の方、睡眠に関する問題がある方、アンチエイジング目的の方、さらには旅行中の時差ボケ解消にもメラトニンは絶大な効果を発揮してくれるはずです。