金属イオンを含有する酸化マグネシウム、鉄剤などとの併用時は ..


・甲状腺ホルモン製剤と鉄剤の同時服用は、甲状腺ホルモン製剤の効果を減弱させるので、両剤の投与間隔をできるだけあけるようにする。その際、患者の服薬アドヒアランスを低下させないよう注意する。


健康成人において、クラリスロマイシン錠剤(250mg)を経口投

・原発性甲状腺機能低下の治療に使われる甲状腺ホルモン製剤(チロキシン)と硫酸第一鉄を同時に服用した場合、甲状腺ホルモン製剤の効果が減弱するか否かを明らかにするために臨床試験が実施された[文献1]。被験者は一定量のチロキシンを服用している原発性甲状腺機能低下症患者14人である。試験では、硫酸第一鉄300mg錠と各々の患者が通常服用している用量のチロキシンを12週間毎日患者に服用させた。その結果、血漿甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、1.6mU/Lから12週後には5.4mU/Lに上昇した。しかし、遊離チロキシン指数には有意な変化はなかった。臨床採点法(クリニカルスコア)による主観的評価において9人の患者で甲状腺機能低下症の症状と徴候の増強が観測された。以上より、硫酸第一鉄とチロキシンの同時服用は、個人差があるものの、チロキシンの効果を減弱すると結論づけられた。このため、患者によっては両剤の併用により臨床的に重要な問題が生じると考えられる。

・続いて、甲状腺ホルモン製剤と鉄剤の相互作用をinvitroで検討した。硫酸第一鉄とチロキシンを試験管内で混合したところ、鉄とチロキシンの結合を示唆する暗紫色の難溶性複合体が出現した。これを可溶化すると青色水溶液となった。塩化第二鉄でも同様の反応が示された。硫酸第一鉄が酸化されない状態ではチロキシンと混合したところ反応は起こらず青色を呈しなかった。青色は、おそらく生体内で第二鉄-チロキシン複合体が形成されたことによる(第一鉄イオンそのものには反応性はなく、第一鉄イオンが酸化され第二鉄イオンとなりチロキシンと結合する)。この相互作用には、鉄と結合しやすいチロキシンのフェノール基、カルボキシル基、アミノ基が関与していると考えられる。さらに硫酸第二鉄の形成は、硫酸第一鉄に特異的なものではなく、おそらくその他の鉄剤でも起こり、チロキシンの効果が減弱すると考えられる。

鼻の奥が痛いので家にあったクラリスロマイシンも併用しようと思うのですが大丈夫でしょうか? ..

チラーヂンS錠とフェロ・グラデュメット錠の同時服用により、チラーヂンS錠の消化管からの吸収が低下して効果が減弱する可能性があります。そのため両剤の同時服用は避け、服用時間をずらしていただいた方がよいと考えます。例えば、チラーヂンS錠は朝食後服用のままで、フェロ・グラデュメット錠は夕食直後に服用すると、両剤の投与間隔があいていますので相互作用が起こりにくいと考えられます」と疑義照会を行い、以下の処方に変更となった。

・この相互作用の原因は、生体内における鉄剤と甲状腺ホルモン製剤との吸着あるいはキレート複合体形成による吸収低下であると考えられる。この相互作用を回避するためには両剤の投与間隔を考慮する必要がある。

私は元々貧血で鉄剤を服用しているのですが最近1週間ほど服用し ..

・鉄剤ではないが、同様に甲状腺ホルモン製剤と相互作用することが知られているスクラルファートを投与した後8時間後にチロキシンを投与した場合、相互作用をかなり回避できることがわかっている[文献2]。また、スクラルファートを服用した後2.5時間遅らせてレボチロキシンを服用しても相互作用を避けることができなかった。しかし、甲状腺ホルモン製剤投与の4.5時間後にスクラルファートを投与した場合は効果が得られた[文献3]。よって、スクラルファート等アルミニウム含有製剤を併用する場合には同時投与は避け、両剤の投与間隔をできるだけあけることが必要である。

(2) CYP3A を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビルネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾール)を投与中の患者
外国人健康成人を対象とした本剤(4 mg 単回)とスボレキサントの代謝酵素である CYP3A を強く阻害するケトコナゾール(400 mg 1 日 1 回経口反復、経口薬本邦未発売)との薬物相互作用成績でスボレキサントの最高血漿中濃度(Cmax)の上昇はわずかであったものの(23% 上昇)、濃度‐時間曲線下面積(AUC)は顕著に上昇した(179% 上昇)。本剤の作用を著しく増強させるおそれがあるため、設定した。本剤と CYP3A を強く阻害する薬剤を併用しないこと。
(ベルソムラ錠 IF より)

特に制酸剤、鉄剤、カルシウム製剤との併用は吸収を妨げる可能性があるため、これらとの服用間隔を十分に空けることを推奨します。

※禁忌とは、重篤な副作用などのために、当該医薬品を使用してはいけない
※※薬の相互作用薬とは、副作用が出やすくなる、薬効が減弱することが考えられる薬などの飲み合わせ

薬剤の飲み合わせとしては、低用量経口避妊薬(ピル)と抗凝固薬のワーファリンに対する影響が挙げられますがいずれも影響は少ないので禁忌事項ではありません。


[PDF] クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 を服用される患者さんへ

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

[PDF] 【金属含有薬剤と相互作用を起こすおそれのある薬剤】

マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。

抗菌薬と他剤との配合変化&相互作用 ~オウンゴールを避けるために

「ベルソムラを処方された患者さんですが、呼吸器科からびまん性汎細気管支炎治療のためクラリシッドを服用中です。クラリシッドはベルソムラの肝代謝を強く阻害しますので、ベルソムラとクラリシッドは併用禁忌となっています。ベルソムラを御変更頂けないでしょうか?なお、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬の多くはCYP3A4 で代謝されますので、少なからずクラリスロマイシンの影響を受けると予測されます。CYPを介さない睡眠薬としては、ロラメット(エバミール)<ロルメタゼパム>があります。」と疑義照会したところ、以下に処方変更となった。

頻用されるマクロライド系抗菌薬としてアジスロマイシン、クラリスロマイシンなどがあげられます。

(6) ミダゾラム
外国人健康成人で実施した薬物相互作用試験では、本剤(80 mg 単回)とミダゾラム(2mg 単回)を単回併用投与した際、ミダゾラムの Cmax 及び AUC に影響を及ぼさなかった。
一方、本剤(80 mg 1 日 1 回反復)とミダゾラム(2 mg 単回)を投与した際、ミダゾラムの Cmax 及び AUC に影響がみられたが(Cmax 23 % 及び AUC 47 % 増加)、実際に服用する用量(20 mg)での血漿中濃度(遊離型濃度:約 2~5 nM)は CYP3A に対する 50% 阻害濃度(約 4~5 µM)と比べて約 1000 倍低いことから、CYP3A により代謝されるほとんどの薬剤について、臨床的に重大となる程度にまで血漿中濃度を上昇させる可能性は低いと考えられる。

クリンダマイシンが使用され、リンコマイシンはほとんど使用され

現在副鼻腔炎の治療中で、レボフロキサシン、カルボシステイン、デザレックス、トラネキサムサ酸を飲んでいます。
処方してくれた薬剤師さんにこれに市販のファイチ(鉄剤)を飲みたいと聞いたら、レボフロキサシンという抗生物質を飲んだらそこから2時間あけてと言われました。
時間をあければ飲んでも大丈夫でしょうか?

静菌的に働く抗生物質。 *アジスロマイシン(AZM)ジスロマック 1回500mg 1日1回3日間服用 {B・Ⅰ}(小児は歯科適応無し)

全てのキノロン系は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりキノロン系薬の血中濃度が低下し、キノロン系薬の効果の減弱が予想されます。
痛み止めとの併用により痙攣などの症状がみられることがあります。
痙攣などの症状が強く出る薬剤の組み合わせ(ロメフロキサシン塩酸塩とフルルビプロフェン(商品名:フロベン))は併用禁忌です。

疾患名:鉄欠乏性貧血

そして明日からは抗生物質のレボフロキサシンがクラリスロマイシンに変わります。これは鉄剤といつでも飲んでも大丈夫と言われましたが一緒でも大丈夫でしょうか?

疾患名:鉄欠乏性貧血

甲状腺ホルモン製剤と鉄剤との同時服用により、甲状腺ホルモンの吸収が低下し効果が減弱する可能性がある。しかし今回の処方では、フェロ・グラデュメット錠がチラーヂンS錠と同じ朝食後服用で処方されていたため、疑義照会をする必要がある。

3)歯科用貼付剤

1.一般感染症:通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2.非結核性抗酸菌症:通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日800mg(力価)を2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
3.ヘリコバクター・ピロリ感染症:通常、成人にはクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
2.非結核性抗酸菌症の肺マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス<MAC>症及び後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症の治療に用いる場合、国内外の最新のガイドライン等を参考に併用療法を行う。
3.非結核性抗酸菌症に対する本剤の投与期間は、次を参照する。
1).肺MAC症:排菌陰性を確認した後、1年以上の投与継続と定期的な検査を行うことが望ましい(また、再発する可能性があるので治療終了後においても定期的な検査が必要である)。
2).後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症:臨床的又は細菌学的な改善が認められた後も継続投与すべきである。
4.免疫不全など合併症を有さない軽症ないし中等症のレジオネラ肺炎に対し、1日400mg分2投与することにより、通常2~5日で症状は改善に向うが、症状が軽快しても投与は2~3週間継続することが望ましい。また、レジオネラ肺炎は再発の頻度が高い感染症であるため、特に免疫低下の状態にある患者などでは、治療終了後、更に2~3週間投与を継続し症状を観察する必要がある(なお、投与期間中に症状が悪化した場合には、速やかにレジオネラに有効な注射剤(キノロン系薬剤など)への変更が必要である)。
5.クラミジア感染症に対する本剤の投与期間は原則として14日間とし、必要に応じて更に投与期間を延長する。
6.本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合、プロトンポンプインヒビターはランソプラゾールとして1回30mg、オメプラゾールとして1回20mg、ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、エソメプラゾールとして1回20mg又はボノプラザンとして1回20mgのいずれか1剤を選択する。

抗生物質と鉄剤の飲み合わせについて

(禁忌)
1.本剤に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.ピモジド投与中、エルゴタミン含有製剤投与中、スボレキサント投与中、ロミタピドメシル酸塩投与中、タダラフィル<アドシルカ>投与中、チカグレロル投与中、イブルチニブ投与中、イバブラジン塩酸塩投与中、ベネトクラクス<再発又は難治性の慢性リンパ性白血病の用量漸増期>投与中(ベネトクラクス<再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫の用量漸増期>投与中を含む)、ルラシドン塩酸塩投与中、アナモレリン塩酸塩投与中、フィネレノン投与中、イサブコナゾニウム硫酸塩投与中の患者。
3.肝臓障害又は腎臓障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者。
(慎重投与)
1.他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.肝機能障害のある患者[肝機能障害を悪化させることがある]。
3.腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇する恐れがある]。
4.心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者[QT延長、心室頻拍(TorsadedePointesを含む)、心室細動をおこすことがある]。
5.高齢者。
(重要な基本的注意)
本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認する。
(相互作用)
本剤は、肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A阻害作用を有することから、CYP3Aで代謝される薬剤と併用したとき、併用薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤は、P-糖蛋白質に対する阻害作用を有することから、P-糖蛋白質を介して排出される薬剤と併用したとき、併用薬剤の排出が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。一方、本剤はCYP3Aによって代謝されることから、CYP3Aを阻害する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が阻害され未変化体の血中濃度が上昇する可能性があり、また、本剤はCYP3Aによって代謝されることから、CYP3A4を誘導する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が促進され未変化体の血中濃度が低下する可能性がある。
1.併用禁忌:
1).ピモジド<オーラップ>[QT延長、心室性不整脈<TorsadedePointesを含む>等の心血管系副作用が報告されている(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2).エルゴタミン含有製剤(エルゴタミン酒石酸塩含有製剤、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩含有製剤)<クリアミン>[血管攣縮等の重篤な副作用をおこす恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3).スボレキサント<ベルソムラ>[スボレキサントの血漿中濃度が顕著に上昇しその作用が著しく増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
4).ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
5).タダラフィル<アドシルカ>[併用薬剤のクリアランスが高度に減少しその作用が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
6).チカグレロル<ブリリンタ>[チカグレロルの血漿中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
7).イブルチニブ<イムブルビカ>[イブルチニブの血中濃度が上昇しその作用が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
8).イバブラジン塩酸塩<コララン>[過度の徐脈が現れることがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
9).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)<ベネクレクスタ>[腫瘍崩壊症候群の発現が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
10).ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>[ルラシドンの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
11).アナモレリン塩酸塩<エドルミズ>[アナモレリンの血中濃度が上昇し副作用の発現が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
12).フィネレノン<ケレンディア>[フィネレノンの血中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
13).イサブコナゾニウム硫酸塩<クレセンバ>[イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2.併用注意:
1).ジゴキシン[嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行う(本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する)]。
2).スルホニル尿素系血糖降下剤(グリベンクラミド等)[低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行う(機序は明確ではないが、本剤との併用により、併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3).カルバマゼピン、テオフィリン、アミノフィリン水和物、シクロスポリン、タクロリムス水和物、エベロリムス[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、併用薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
4).アトルバスタチンカルシウム水和物、シンバスタチン、ロバスタチン(国内未承認)[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行い、腎機能障害のある患者には特に注意する(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
5).コルヒチン[コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状<汎血球減少・肝機能障害・筋肉痛・腹痛・嘔吐・下痢・発熱等>が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)、なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者には、本剤を併用しない(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
6).ベンゾジアゼピン系薬剤<CYP3Aで代謝される薬剤>(トリアゾラム、ミダゾラム等)、非定型抗精神病薬<CYP3Aで代謝される薬剤>(クエチアピンフマル酸塩等)、ジソピラミド、トルバプタン、エプレレノン、エレトリプタン臭化水素酸塩、カルシウム拮抗剤<CYP3Aで代謝される薬剤>(ニフェジピン、ベラパミル塩酸塩等)、リオシグアト、ジエノゲスト、ホスホジエステラーゼ5阻害剤(シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル<シアリス・ザルティア>等)、クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)、ドセタキセル水和物、アベマシクリブ、オキシコドン塩酸塩水和物、フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)、なお、トルバプタンにおいては、本剤との併用は避けることが望ましいとされており、やむを得ず併用する場合においては、トルバプタンの用量調節を特に考慮する(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
7).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)[ベネトクラクスの副作用が増強する恐れがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察する(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
8).抗凝固剤:
(1).抗凝固剤<CYP3Aで代謝されP-糖蛋白質で排出される薬剤>(アピキサバン、リバーロキサバン)[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のCYP3A及びP-糖蛋白質に対する阻害作用により、併用薬剤の代謝及び排出が阻害される)]。
(2).抗凝固剤<P-糖蛋白質で排出される薬剤>(ダビガトランエテキシラート、エドキサバントシル酸塩水和物)[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用により、併用薬剤の排出が阻害される)]。
9).イトラコナゾール、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)[本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤と併用薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される)、また、イトラコナゾールの併用においては、イトラコナゾールの血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤と併用薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される)]。
10).リファブチン、エトラビリン:
(1).リファブチン、エトラビリン[併用薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
(2).リファブチン、エトラビリン[本剤の未変化体の血中濃度が低下し活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(併用薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
11).リファンピシン、エファビレンツ、ネビラピン[本剤の未変化体の血中濃度が低下し活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性があり、本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行う(併用薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では、生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.動物実験で、母動物に毒性が現れる高用量において、胎仔毒性(胎仔心血管系異常、胎仔口蓋裂、胎仔発育遅延等)が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15~150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15~1000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性が現れる最高用量でラットに胎仔心血管系異常並びにマウスに胎仔口蓋裂が認められた。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性が現れる70mg/kg/日で9例中1例に低体重胎仔がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
また、ラットにクラリスロマイシン(160mg/kg/日)、ランソプラゾール(50mg/kg/日)及びアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)を併用投与した試験において、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている。
更に、ラットにクラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)、ラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)及びアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態悪化が認められている。
2.ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせる(なお、動物実験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した)。
(小児等への投与)
低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
1.レジオネラ肺炎の治療において単独で使用することが望ましいが、患者の症状に応じて併用が必要な場合には次の報告を参考に併用する薬剤の特徴を考慮し選択する。
1).レジオネラ肺炎の治療において、中等症以上の患者にリファンピシンと併用し有効との報告がある。
2).レジオネラ肺炎の治療において、invitro抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシン又はシプロフロキサシンとの併用効果(相乗ないし相加作用)が認められたとの報告がある。
2.投与時:健常人での薬物動態試験で天然ケイ酸アルミニウムと併用した場合、本剤の吸収が低下するとの報告がある。
3.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.ラットにアモキシシリン水和物(2000mg/kg/日)とランソプラゾール(15mg/kg/日以上)の4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)の4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
2.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
(取扱い上の注意)
安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

✦鉄剤と錯体形成し、吸収

口内炎治療薬として軟膏剤とクリーム剤及び歯科用貼付剤があります。