SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野


昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。


開発元のアストラゼネカが1月17日に発表した。 承認されれば、国内で初めてSGLT2阻害薬が心不全の適応を取得することとなる。

国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。

緒方:アンメットニーズのある領域に対し、既存薬とはまったく作用機序の異なる治療選択肢を提供できるという点で、大変意義のある適応拡大だと思っています。P3試験の結果を見ると、糖尿病の有無に関わらず、どの心不全治療薬と併用してもきちんと有効性を示していますので、多くの患者さんに使っていただける薬剤です。循環器の医師からの反響も大きく、「ぜひ使いたい」という言葉をたくさんいただいています。

効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者

フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。

――今回の適応拡大は、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)を対象としたP3試験の結果に基づいて承認されました。一方、左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)に対する有効性を示した薬剤はなく、より大きなアンメットニーズがあります。

心不全患者において SGLT2 阻害薬を使用する場合、各薬剤の添付文書および本

フォシーガは、2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている場合に限る)、慢性腎臓病(末期腎不全または透析施行中の場合を除く)に適応があります。
効能効果ごとの用法用量は、以下のとおりです。

NOBUヘルシーライフ内科クリニックでは腎臓病の診療を得意分野の一つとしてお
り、SGLT-2阻害薬『フォシーガ』の使用も積極的に行っております。腎臓病の方・腎
臓病ではないのかとご心配な方はいつでもご相談ください。

国内では昨年11月、アストラゼネカの「フォシーガ」が慢性心不全の ..

フォシーガは、2型糖尿病だけでなく1型糖尿病にも適応があり、慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも使用される薬剤です。血糖降下作用がインスリンに依存しないため、単独で用いる場合は低血糖の発生リスクが低いとされています。糖尿病の有無に関係なく左室駆出率の低下した慢性心不全に適しており、標準的な治療に追加することで予後の改善が期待できます。また、食事の影響を受けないため、食前でも食後でも服用できるという利点もあります。

矢島:慢性心不全の約半分はHFrEFで、残りのもう半分はHFpEF。残念ながら、HFpEF患者の予後を改善する薬剤は今のところ存在せず、本当に待ち望まれている薬剤です。われわれとしても、非常に大きな期待をもって臨床試験の結果を待っています。(編注:HFpEFを対象としたP3試験「DELIVER試験」は今年後半に結果が出る見込み)


[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について

国内では、▽「フォシーガ」(一般名・ダパグリフロジンプロピレングリコール、アストラゼネカ)▽「ジャディアンス」(エンパグリフロジン、日本ベーリンガーインゲルハイム)▽「カナグル」(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬)――の3つのSGLT2阻害薬が、心不全と腎臓病を対象とした開発を行っています(カナグルは糖尿病性腎症のみ)。

SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加承認され、翌年にジ

標準的な治療を受けている慢性心不全の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用で心不全関連イベント(心血管死、心不全圧下による入院など)が26%低下しました。
つまり、標準的な治療にフォシーガを追加することで、心不全悪化のリスクや死亡がおさえられ、生命予後が改善される可能性が示唆されたということになります。

心不全や糖尿病などの治療に用いるフォシーガ錠、「左室駆出率の保たれた慢性心不全 ..

フォシーガは錠剤で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使えるお薬です。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)は、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害する薬剤です。
SGLT2とは、腎臓の近位尿細管におけるグルコース(糖)の再吸収で重要な役割を担う輸送体です。フォシーガは、SGLT2を競合的かつ可逆的に阻害してグルコースの再吸収を抑制し、尿中グルコース排泄を促すことにより、血糖コントロールを改善します。
また、体液量の補正や血圧低下、血行動態の改善などさまざまな作用により、慢性心不全や慢性腎臓病を改善する効果も期待できます。
なお、「フォシーガ(forxiga)」という名称は、患者さまのため・患者さまの家族のため・医師のためを表す「for」と、inhibit glucose absorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字の「iga」を掛け合わせる(x)ことで、既存の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現しているそうです。

処方医が、フォシーガ錠を慢性心不全の患者に使用する場合の投与量を把握してい ..

標準的な治療を受けている慢性腎臓病の方を対象とした臨床試験では、標準的な治療にフォシーガを追加することで病状の悪化(腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)が相対的に39%低下することが示されました。この試験では、副作用についても大きな問題がないことが確認されています。

昨年以降、複数の新薬が発売され、今年11月にはSGLT2阻害薬も適応拡大。専門家は「心不全 ..

実際に糖尿病のない心不全患者さんに導入して低血糖になったことは経験したことがありません。

慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。 4).慢性腎臓病<末期腎不全又は透析施行中の患者を除く>。 ..

緒方:循環器、腎、代謝の領域は、お互いに悪影響を与え合うので、慢性心不全に加えて慢性腎臓病の適応を取得することで、より患者の役に立てると考えています。

3) 日本循環器学会・日本心不全学会:心不全治療における SGLT2 阻害薬の適正使用に関する.

心不全も腎不全も薬物治療の中心は降圧薬ですが、近年、心臓と腎臓の両方に対する臓器保護作用を持つ薬剤として注目されているのがSGLT2阻害薬です。

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

矢島:腎不全の患者は、心臓が悪くなればなるほど心血管死や腎不全による死亡が増えるし、逆に心不全が悪くなれば腎臓も悪くなるので、これらは1つの疾患群と捉えていいと思うんです。フォシーガはそれらに対して総合的に効果を示せるようなので、臨床現場で有用に使っていただけるのではないかと期待しています。

[PDF] 心不全患者における SGLT2 阻害薬の安全性に関する調査 研究

「心腎連関」とは、心機能の低下と腎機能の低下が影響を及ぼし合う現象のことです。心臓と腎臓は密接に関連しており、心疾患で心臓の機能が落ちると腎臓の働きが悪くなることがありますし、逆に、腎疾患で腎臓の働きが悪くなると、その影響で心臓の機能が低下することがあります。心不全患者の生命予後は腎機能に大きく左右されることが知られており、慢性腎臓病の患者では心血管疾患のリスクが高まることもわかっています。

年 11 月より、慢性心不全に対しても一部の SGLT2 阻害薬の適応が拡大したことで臨床での使用頻度も

緒方:アストラゼネカにとって、循環器・腎・代謝という領域は重要な位置付けで、グローバルで見ても成長ドライバーになっています。互いに密接に関連している疾患だということを踏まえて、主に代謝、心不全、慢性腎臓病、この辺りの薬剤をしっかりと提供することで、疾患の進展抑制、臓器保護、予後改善を目指すという考えでポートフォリオを組んでいます。

心不全への適応を取得するに至っている。 さらに最近,HFpEF 患者と HFmrEF 患者を

※ジャディアンス(成分名:エンパグリフロジン)は2型糖尿病だけでなく『慢性心不全』の治療薬としても保険適応があります。

心不全に対するSGLT2阻害薬の使い方についてまとめてみた 2023.12

矢島:われわれが日本、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの6カ国で約77万人の2型糖尿病患者を対象に行ったリアルワールド研究では、2型糖尿病患者が最初に発症する心血管・腎疾患は慢性腎臓病が最多で、次に心不全が多いことがわかりました。心機能や腎機能を悪化させないため、糖尿病を早期に治療することは非常に重要です。そこはSGLT2阻害薬がすごく役に立てるところですし、心不全や慢性腎臓病を発症した患者についても、心腎連関を意識しながらトータルでケアすることができる。フォシーガは、早期の段階から心不全や腎臓病を発症する後期の段階まで、幅広く患者の役に立てる薬剤として成長させていきたいと思っています。

その結果、日本循環器学会/日本心不全学会 2017 年改訂版急性・慢性心不全診 ..

※フォシーガ(成分名:ダパグリフロジン)は『糖尿病のない慢性腎臓病』だけでなく『慢性心不全』の治療薬としても保険適応がなされています(2020年11月に慢性心不全への保険適応承認)。

[PDF] SGLT2阻害薬が心不全での適応追加になりました! 薬剤師大谷

対象:食事や運動または使用している血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者249例
方法:フォシーガ錠5mgまたは10mg(増量時)を 1日1回52週間投与